「空中給油機に空中給油」を繰り返して爆撃成功!? アルゼンチンが驚いた英国の意地「ブラック・バック作戦」とは

軍用機の「空中給油」の始まりとされる出来事から100年。いまでは軍用機の航続距離も向上していますが、かつてイギリス軍が、空中給油を空前絶後の規模で行い、ある作戦を成し遂げました。

空中給油機に空中給油機を使って給油?

 しかし、そこは戦争を始めたらあらゆる知恵を絞って勝ちにいくイギリスです。王立空軍の威信を賭け、とんでもない作戦を発案します。それは、「バルカン」2機(1機は予備)と、計11機の「ヴィクター」空中給油機を使って、ポート・スタンリー空港を爆撃しようというものです。

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「ブラック・バック作戦」で給油を担当した「ヴィクター」(画像:イギリス空軍)。

 その方法は、ポート・スタンリーまでの空路で「バルカン」に並走する「ヴィクター」から空中給油を繰り返すというものでした。しかし、給油機である「ヴィクター」も当然燃料を消費するので、“空中給油機を空中給油機で給油する”ことも並行して実施。バルカンを目的地へ進めさせつつ、一部の「ヴィクター」はワイドアウェーク基地に帰って燃料を補給。こうした給油と補給のリレーを繰り返し、バルカンによる爆撃を行い、最終的にワイドアウェーク基地まで帰着させるというものでした。

 この作戦をイギリス軍は、完璧な燃料計算と飛行プランで複数回成功させます。作戦中に撃墜されたり墜落したりした自軍の航空機はゼロ。ポート・スタンリー空港に軽微ではありますが損害も与えました。

 アルゼンチンがフォークランド諸島の占領を実行した理由のひとつとして、イギリス軍に普通のジェット艦載機を運用できる空母がなくなったことで、空での優位が確保できると考えた、という説が挙げられることがあります。アルゼンチン側も、まさかここまでして爆撃機を飛ばしてくるとは予想外だったのではないでしょうか。なお、東西冷戦期に対ソビエト連邦用に作られた「バルカン」の実戦参加は、この作戦が唯一となりました。

 ちなみにですが、アメリカ空軍の戦略爆撃機であるB-52の場合は、航続距離が1万6232kmといわれているので単機で無給油のまま任務をこなすこともできます。

【了】

【え、本当にこの距離を?】フォークランド紛争で「バルカン」が発進したアセンション島の位置(写真)

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ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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