冷房なんてほぼない! 真夏の自衛隊車両“灼熱地獄” 一体どう乗り切っているのか

クラシックカーやいわゆる旧車とよばれる古いクルマを除くと、ほぼ標準装備となった車両用クーラー。ただ、自衛隊車両についてはまだまだ未装備のものも多く残っています。それらに乗った際の過ごし方を陸自OBが振り返ります。

陸上自衛隊には戦車を筆頭に非冷房車が多数

 平年よりも長い梅雨がようやく明け、いよいよ夏本番となった日本列島では、連日のように「災害級の暑さ」などといった言葉が聞かれます。室内だけでなくクルマでの熱中症にも警戒が高まっています。いわゆる旧車など冷房ナシのクルマもたまに見かけますが、パトカーや消防車、救急車などといった公用車ですら、いまやクーラーなしの車両はほぼありません。

 そのようななか、いまでもかなりの割合で非冷房車、クーラー未装備のクルマを数多く運用しているのが陸上自衛隊です。それらに乗車する隊員らは、車内にこもる暑さをどうやって乗り越えているのか。元陸上自衛官でもあった筆者(武若雅哉:軍事フォトライター)が実体験を交えて解説します。

Large 20230729 01
静岡県の板妻駐屯地記念行事で登場した高機動車。乗っているのは、仮設敵役の隊員。悪役感がすごい(武若雅哉撮影)。

 なぜ、陸上自衛隊には冷房がない車両が多くあるのか。それは、古いクルマも整備をしながら長く使い続けるからです。なかでも古い型式の戦闘車両は、ヒーターこそあっても冷房がないなんてことは当たり前です。

 戦車に限っても、最も古い74式戦車はもちろんのこと、1990年代から2010年ごろまで生産されていた90式戦車もエアコンなど搭載されておらず、2010年以降に製造されている10式戦車に関してもコンピューターを冷やすための冷房装置しかありません。乗員は、ある意味この「コンピューター用冷房のおこぼれ」によって、若干の恩恵を受けている程度です。

 一方、陸上自衛隊員が普段多用する各種トラック、幌付きの車両はかなりの割合で冷房が搭載されています。しかし濃いグレーを基調とした幌は熱を吸収するため、夏場は天井が非常に熱くなります。また、一般的な乗用車などと違って断熱材も貼られていないため、クーラーの冷却効果もイマイチです。 

 そのため、隊員は長袖の迷彩服の袖口を広げ、エアコンの送風口に手首を持って行き、袖から冷たい空気を服の中にいれて身体を冷やすなんてこともします。ただ、こういったその場しのぎができるのは操縦席や助手席に座る隊員だけで、後部座席にいる隊員は、その冷風のおこぼれをもらうほかないのです。

【え…ここに数日間?】エアコンはおろか窓すらないシェルタートラックの内部(写真)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス