【空から撮った鉄道】ハイブリッド車の仙石東北ライン BRTとして復活した気仙沼線 東北3県の鉄道ダイジェスト〈後編〉

2021年9月、岩手、山形、宮城県をまとめて空撮しました。3部作の後編では、宮城県のその2、太平洋側へ出て東日本大震災の被災地などを紹介します。穏やかな秋晴れの日、5時間のフライトを終え花巻空港に降り立つまでです。

この記事の目次

・解体されていた交流電気機関車
・仙石東北ラインは、なぜハイブリッド車両なのか
・災害を契機としたBRTへの鞍替え 全国で増えるのだろうか

【画像枚数】全25点

解体されていた交流電気機関車

 前回の中編では、JR貨物の仙台貨物ターミナル駅移転地まで紹介しました。今回はいよいよ後編です。移転地の目と鼻の先にはJR東北本線の岩切駅があって、東北新幹線が交差。東北本線旧線を利用した利府支線が分岐し、東北新幹線の新幹線総合車両センターへと線路が続いています。

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利府駅を発車した東北本線利府支線の701系が岩切駅構内へ差し掛かる。手前は東北本線、上を東北新幹線の高架橋が交差する。明治期からの東北本線(山線)が岩沼~利府間を残して1962年に廃止され、利府支線となった(2021年9月12日、吉永陽一撮影)。

 新幹線総合車両センターは、敷地面積約47万平方メートル、全長約4kmを有する巨大基地です。周囲は田園地帯で、ドンと新幹線基地の威容が空から望めます。この車両基地は『空から撮った鉄道』の2020年2月15日配信記事で紹介しました。それから若干車両が変化しています。

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新幹線総合車両センターの留置線で休息するE2系、E5系、E6系。工場出入場でE7系が停車するときもある。2024年になればE8系が新たな顔となるだろう(2021年9月12日、吉永陽一撮影)。
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詳細は知らないが偶然撮影できた。新幹線総合車両センターの工場脇の線路で留置されているE3系。今となっては懐かしい「こまち」カラーである。R21か22編成かと思われる(2021年9月12日、吉永陽一撮影)。

 今回の空撮では新幹線基地がメインではないため、そこまで時間を割きません。プランを見返すと、撮影時間は約5分間。5分間といっても巨大な敷地を周回しながら撮影するとあっという間です。高速試験車両の「ALFA-X」がいるかなと淡い期待をしましたが、庫内にいるようで姿は見えませんでした。残念。

 周回しながら北側へ回ると保存車両があります。2017年に空撮した際は、新幹線車両と在来線の機関車が保存されていましたが、今回は新幹線車両の保存車に変化はなかったものの、隣接して保存されていた歴代の交流電気機関車が解体されていました。保存場所がぽっかりと空いているのが虚しいです。機関車は2020年に解体されたとのことで、比較用に過去の空撮写真も紹介します。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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