「尖ったパイロットはいらない」F-35飛行隊長に聞いた 戦闘機部隊のリーダーに求められる「2つの要素」とは

那覇基地での経験がいまに

 そして、入田2佐が三沢基地の第302飛行隊に赴任する前にいたのが、南西諸島の最前線である那覇基地です。

「沖縄県那覇基地の第304飛行隊では、飛行班長を務めました。飛行隊には役割に応じてさまざまな部署が設けられていますが、その中でパイロットを中心に構成されているのが飛行班です。ここでは主に航空機の飛行運用に関する業務を行い、班長はそこのトップにあたります。飛行班長の仕事は戦闘機の飛行運航に関する業務に及びますが、その中には新人隊員に対する訓練もありました」

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三沢基地内をタキシングするF-35A。主翼端にはAIM-9X「サイドワインダー」空対空ミサイルを搭載している(布留川 司撮影)。

 筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)は、入田2佐が第304飛行隊所属だった時期に、この部隊を取材で訪れたことがあります。この時は、入田2佐もまだ1階級低い3佐で、飛行班長として自らもF-15戦闘機を駆って新人パイロットの訓練指導を行っていました。

「訓練では、私自ら新人パイロットを実際に教え、検定フライトまで行ってその技量を判定することもありました。しかし、全体的には複数の訓練幹部とともに分担して行いました。班長の役目は、なんでも自分でやるのではなく、あくまでも班全体を指揮し、それをチームとして動かすことにあります。このときの飛行班長の業務は、私自身がパイロットだけでなく部隊の運営というものに関われた良い機会だったといえますし、それが今の飛行隊長という立場にも繋がっていると思いますね」

【お腹パッカーン!】これが空自F-35Aのミサイル収納部分です(写真)

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