なぜ地味なのか「JR難波」 かつての一大ターミナル今後は大化け? 実は30年前からあった“構想”

南海と空港輸送でデッドヒートも?

 両列車が廃止され、国鉄からJR西日本となった後の1988(昭和63)年、関西本線に「大和路線」の愛称が付けられますが、大和路快速は湊町駅には乗り入れませんでした。それから6年後、駅名が「JR難波駅」に改名されます。なおJRグループでは初めて「JR」を冠した駅名でした。

 1996(平成8)年に地下化されると、それまでの櫛型ホームから2面4線の島式ホームとなりました。この時にJR難波駅発の関空快速が運行開始しましたが、2008(平成20)年に廃止され、2024年現在の速達列車は朝夕を中心に運行される王寺・奈良行きの快速列車だけとなっています。

 不遇な立場に置かれている理由は、JR難波駅が大阪環状線の今宮駅より分岐する枝線だからです。列車本数も日中は15分に1本と多くありません。

 しかしながら、2031年に大変革を迎えようとしています。大阪駅から大阪環状線をショートカットして、JR難波駅と南海の難波駅を結ぶ「なにわ筋線」が開業するからです。

 地下化されたJR難波駅は、当初よりこの直通を想定していました。なにわ筋線には、JR・南海・阪急の列車が乗り入れる予定であり、JR西日本は特急「はるか」「くろしお」および関空快速と紀州路快速を同線経由に変更するため、JR難波駅は初めて特急停車駅になると思われます。

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2024年現在、快速以外の優等列車の発着はなく、日中は15分に1本だ(安藤昌季撮影)。

 なお、南海も空港特急「ラピート」を新大阪駅発とする予定なので、大阪(難波)~関西空港間では、JRと南海の空港特急が完全に競合するものと思われます。

 現在は広大な構内を持て余すJR難波駅ですが、にぎわう日も近いのかもしれません。

【了】

大化けするJR難波駅の構想 特急が初めて停まるかも!?(路線図)

Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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