地面スレスレ!? 低すぎる「止まれ」標識 自衛隊那覇基地の「珍百景」は、戦闘機を守る秘訣だった!?

基地/空港は海に面した低い場所

 そもそも那覇基地/那覇空港は、戦前から那覇市街の西側、海に面した場所を埋め立てるなどして開設された経緯があります。直近でも、2020年3月から運用を開始した第2滑走路は内陸に造ることができなかったため、沖合を埋め立てて新設されています。
 
 ゆえに、滑走路やそれに面して広がるエプロン地区(駐機場)、格納庫などは軒並み海抜10m以下に位置しています。国土交通省が公開している津波災害想定を見ると、那覇空港は最大5m浸水するとされているほか、沖縄県の津波ハザードマップでは那覇空港に最大遡上高8.4mの津波が襲来すると想定されています。
 
 そのため、那覇基地は過去、何度か津波対処訓練を行っており、冒頭に記した台湾東部沖地震が起きる半年ほど前の昨年(2023年)9月には、すでにF-15J戦闘機を牽引車で高台へと引っ張り上げる実動を伴う津波対処訓練も行っていたそうです。

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那覇基地の中に設置されている海抜10m表示の標識。ここより下に格納庫やエプロンが位置するのがわかる(乗りものニュース編集部撮影)。

 ちなみに、那覇基地の中を巡っているときに気になったのが、一部道路の標識が異様に低い位置にあることです。基地広報によると、これも津波対策の一環なのだそう。

 どういうことかというと、F-15戦闘機などを高台に引き上げる際、従来の高さの標識では翼と干渉する恐れがあったのだとか。そこで、万一の際にはスムーズに高台へと上げられるよう、標識をあえて低くし、支柱なども短いものに変えたとのことでした。
 
 このほかにも、那覇基地の新しい施設は上層部の外側にドアが設置されています。これは、津波による水損を避けるために、受変電機能などの重要な設備を上層階に整備していることから、自家発電機などの器材をクレーンで直接搬入できるようにするために設けられているものです。

【初見だと違和感ありまくり!?】那覇基地の津波対策、いろんな標識を見る(写真)

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