バブル期の超豪華客車「夢空間」を“清瀬市”へ 「完全修復します」「活用します」保存とどう両立? 担当者に聞いた
食堂車としての機能を活かす
木原参事は、「年月を経ることで老朽化していくことは避けられませんが、昨今の文化財保存の考え方として、文化財そのものが、修復および保存のための費用を生み出していくことで、持続可能な保存が可能になると考えます」と話します。一例として、車両を使った撮影やイベント開催などによる収益、保存のためのクラウドファンディングや寄付などを通じて、修復費用を賄っていきたいとしました。
ただ、そうした保存の在り方と“事業への活用”は、相反する側面もあります。車両の価値を考えるなら、例えば「高額な飲食物を提供するレストラン」として「夢空間」を活用することなどが考えられます。しかし、それでは子どもたちが簡単に入れる設備ではなくなるとも思えます。
逆に現状の「ららぽーと新三郷」のように、子どもたちが簡単に入れる施設とするなら、車内での飲食、遊び場となることなどでの車内破損も考えられます。
――「児童館などの子どものために活用したい」「鉄道文化財としての超豪華客車」とありますが、市はこの両立をどう考えているのでしょうか?
(木原参事)「保存・活用計画」を策定し、それに沿った活用を行いたいと考えております。「夢空間」を鉄道文化財としてしっかりと保存していくためには、車両そのもので修復・保存のための費用を賄っていくことが求められます。このことから、現在「夢空間」の運営についてサウンディング型市場調査を行っているところです。
しかしながら「夢空間」の本来の姿である「飲食ができる車両」であることは最大限に活かさなければならないとも考えております。「夢空間」の価値を理解していただいたうえで、現役当時に提供されていたメニューも食べられるレストランやラウンジとして営業できること、特定の日に子どもや市民に向けたイベントを行うことなど、さまざまな活用方法を検討していきたいと考えております。
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