バブル期の超豪華客車「夢空間」を“清瀬市”へ 「完全修復します」「活用します」保存とどう両立? 担当者に聞いた
「放置は絶対にありません」
もうひとつ気になるのが、現在告知しているクラウドファンディングが成功しなかった場合です。
――クラウドファンディング第1弾の「清瀬市中央公園への移設」は、「目標金額に届かなくても必ず実行する」とされていますが、第2弾・第3弾のクラウドファンディングが行われ、もし不成立になった場合は「夢空間」客車はどうなってしまうのでしょうか?
(木原参事)今回のクラウドファンディングは、オールイン(編注:集まった分だけ支援金を受け取れる方式)で実施しますので必ず成立します。みなさまからご支援いただいた資金は、おひとりおひとりの声援と賛同の声だと考えております。この声を無下にして、車両を修復しないで放置することは絶対にありません。
クラウドファンディングで「夢空間」の譲受を決めるきっかけとなった検討委員会からの提言に、次の一節があります。
「オリジナル部分を残して修復し、メンテナンスを行いながら保存していくことで清瀬市の名が高まることになるが、一方、譲り受けた後に、財政上の理由などで解体・廃棄するようなことがあれば、世間から非難されることにも留意する必要がある」
本市は、車両を譲り受けることを決めた際に、この提言内容を当然理解しております。「夢空間」は清瀬に移設されますが、本市だけの力で次の世代につないでいけるものではありません。日本鉄道史の1ページを飾るこの貴重な車両を愛するみなさま、関係者のみなさまのお力添えが絶対に必要です。ご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
──ありがとうございました。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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