歴史に残る巨額「投資サギ事件」首謀者の不可解な行動 ド派手イベント強行せざるを得なかったウラ事情

2024年9月、兵庫県警は詐欺容疑で高級クラシックカーのレストア販売会社オーナーを逮捕しました。ただ、彼は経営が火の車である一方で、サーキット貸し切りの派手なイベントを行っています。そのチグハグな行動はなぜなのでしょうか。

イベント開催前にはクラウドファンディングで資金調達も

 華やかなイベント開催の裏側で、この頃には「STAR CRAFT」の債務は雪だるま式に膨らんでおり、数十億円の負債を抱えて経営破綻一歩手前の状態にありました。

 室崎容疑者は当座の運転資金すら確保が難しくなっていたようで、イベント開催の半年前となる2022年2月5日には、大手クラウドファンディング・プラットフォームに、1956年式メルセデス・ベンツ「190SL」のレストア資金調達の名目でクラウドファンドを立ち上げています。その目標金額は300万円。借金の大きさに比べれば「焼け石に水」といった印象で、今さらこの程度の資金を集めても、経営の立て直しなど不可能だったのではないでしょうか。

 ひょっとすると室崎容疑者は「このベンツを仕上げて売れば、しばらくは持ち堪えられる」と考えていたのかもしれません。もっとも現実は厳しかったようで、同年4月1日のプロジェクト締め切りまでに集まった支援者はたったの17人。目標金額の17%に当たる53万円しか集まりませんでした。

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整備工場でクラシックカーをレストアする様子。写真はイメージ(画像:PIXTA)。

 クラウドファンドで微々たる資金を募る一方で、巨費をかけた自社イベントを富士スピードウェイで行うなど、室崎容疑者の行動にチグハグさを感じるかもしれません。

 しかし、富裕層相手の高級車ビジネスは、販売店やレストア工房が良い仕事をするには当然として、派手なイベント、豪華なショールーム、若く美人な受付嬢、きめ細かなサービスは必須のものであり、たとえ台所事情が苦しくとも避けては通ることができないのです。もしこれらの顧客サービスを疎かにすれば、あっという間に数少ない顧客は離れてしまい、その時点で経営が行き詰まってしまいます。

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