歴史に残る巨額「投資サギ事件」首謀者の不可解な行動 ド派手イベント強行せざるを得なかったウラ事情
選ばれた少数の富裕層を顧客にする高級車ビジネスの難しさ
何千万、何億という大金を移動の道具であるクルマにポンと支払う富裕層は、私たち庶民とは感覚がまったく異なります。
中でも実用性がなく、日常使いができない高級クラシックカーやスーパーカーを買うことができるのは、お金持ちの中でもほんの一握り。セダン型のロールスロイスや、ベンツの高級SUVを買う財力がある人でも、「遊びクルマ」、すなわち実用性のまったくない趣味性の強いクルマに大金を費やすことは、メンタリティの面でなかなかできないでしょう。
彼らが高級車を買うときは、単に魅力的な商品であるというだけでなく、自分が選ばれた存在であるという優越感を満たしてくれることを暗に要求してきます。彼らは一流の自分にふさわしい店でしか、決して高額商品を買うことはありませんし、実用性皆無なクルマに莫大な金額を支払おうとする人は要求する水準も厳しいものとなります。
そうしたことから富裕層相手のビジネスは設備投資やサービスに相応のコストがかかり、入ってくる金額も多ければ出ていく金額を多くなるのです。
しかし、ビジネスはリスクがあります。ましてや高級車販売は取り扱う商品が高額なだけに、何か間違いがあれば莫大な損失を被ることもあります。そして、想定外のことが2回、3回と立て続けに起きれば、老舗や名店と呼ばれるプロショップでも即座に経営が立ち行かなくなるのです。これこそが、高級クラシックカーやスーパーカー販売の厳しくも難しいところだと言えるでしょう。
【了】
Writer: 山崎 龍(乗り物系ライター)
自動車やクルマを中心にした乗り物系ライター。愛車は1967年型アルファロメオ1300GTジュニア、2010年型フィアット500PINK!、カワサキZX-9R、ヤマハ・グランドマジェスティ250、スズキGN125H、ホンダ・スーパーカブ110「天気の子」。著書は「萌えだらけの車選び」「最強! 連合艦隊オールスターズ」「『世界の銃』完全読本」ほか
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