今や激レア!「“東京直通特急”が走るローカル私鉄」に乗る かつてはもっと遠くから直通も!?
伊豆半島の三島~修善寺間を結ぶ伊豆箱根鉄道駿豆線は、東京駅への直通列車が90年以上前から走るなど歴史的な観光路線でもあります。近年はアニメとのタイアップなどでも盛り上がる同線に乗りました。
駿豆線内だけの「踊り子」利用も可
さて、7000系の普通列車が出発すると入れ替わりで3000系の普通列車が到着しました。こちらは国鉄近郊形のような3扉セミクロスシート。通勤輸送と観光輸送の双方に対応するための座席配置とのことです。
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特急「踊り子10号」は5両編成。各車両10人ほどの乗車でした。なお、JR直通特急であれ、駿豆線内のみの利用も可能であり、特急料金は200円(子ども100円)と安めです。ただ座席未指定券の扱いとなり、「修善寺踊り子」は全車指定席のため、満席の場合は座れません。
修善寺駅を出た列車は狩野川と並行します。牧之郷駅を通過し、最初の停車は大仁駅。かつての終着駅であり、開業時にはここから下田港を結ぶ鉄道構想もありました。ホーム幅が非常に広く、6mくらいあります。列車交換して数人が乗車すると、15時44分に出発しました。
田京駅を通過し、15時50分に伊豆長岡駅着。伊豆長岡温泉の玄関口で、副駅名は「伊豆天城天然水の郷」。地域のミネラルウォーター企業命名の副駅名です。
沿線はのんびりとした田園風景と建物が入り混じります。3駅連続で通過しますが、15時57分に大場駅停車。ここには伊豆箱根鉄道の車両基地もあります。数人が乗車して、下車客もいました。
三島二日町駅を通過して、16時1分に三島田町駅着。ここも広いホームで、数人が乗車しました。カーブや踏切が増え周囲が市街地になると、16時4分、三島駅着。20人ほど乗車してきました。筆者はここでホームに降ります。
特急「踊り子」は、伊豆箱根鉄道の三島駅ではなく、連絡線を渡ってJR東海のホームに発着します。急曲線を描く駿豆線は、ホームと車両がぶつからないようにホームの一部が切り欠けられています。
列車は東京駅を目指します。熱海駅では伊豆急下田駅からの「踊り子10号」と連結するなど、鉄道ファンとしては「ホームに降りて作業を見たくなる」列車です。
先代の185系電車が老朽化した際、「E257系がJR東海に乗り入れたことがないので、修善寺直通は中止になるのでは」と心配されましたが、3社直通特急はまだまだ走りそうです。
※一部修正しました(2月7日12時15分)
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
地名の由来となったお寺は「修善寺」ではなく「修禅寺」では。
大場駅は運転停車ではありません。
通常の停車駅です。
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。