中国&自国製の新車がスタンバイ どうなる日本の譲渡車両 ジャカルタで去就について聞いてみた
インドネシア・ジャカルタの都市圏輸送を担うKAIコミューター「KCIコミューターライン」には、東京メトロやJR東日本から譲渡された車両が活躍しています。しかし古参のため置き換えられ数を減らしています。海を渡った日の丸車両の今を紹介します。
そのようななか中国製の新車が試運転
KCIコミューターラインは、乗車率100%以上が常態化しており、慢性的なラッシュを解消するために本数を増やしたいところですが、チョッパ制御車の故障が度々起こるようになっており、本数増大が難しい状況が続いていました。
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そこで、インドネシア政府は日本からの中古車両の輸入をやめ、新車の輸入と自国内の新車開発へと舵を切っています。そのため、205系以降の中古車両の譲渡はなくなっており、現状の保有数で運行をカバーせざるを得ません。
2024年には、中国中車グループの中車青島四方機車車両(CRRC)社から、新型車両12両編成3本の導入を決定しています。2025年1月には待望の第1編成が中国から輸入され、2月11日より試運転を開始しています。さらに国産INKA(国営企業インダストリ・クレタ・アピ)製の新車も導入予定です。INKA製車両のデザインは、日本の一般的な通勤電車と似たフォルムで、12両編成16本の導入が予定されており、日本の車両製造技術も採用されるとのことです。
CRRCの新車が営業運転を開始し、INKA製の新型車両も現在製造中という状況を考えると、東京メトロの車両の去就が気になります。少数派となった車両に出会うのは容易ならざることですが、大動脈のボゴール線は本数も多く、ボゴール、デポック、ブキット・デュリと車両基地を配しているので、運用に就いていれば出会える可能性はあります。
2月にデボック基地を取材した際、チョッパ制御車の6000系34編成と7000系22編成が、着発収容線で休んでいる場面に遭遇しました。職員によると、22編成は廃車扱いとのこと。7000系の営業列車は23編成1本のみでしたが、その後CRRCの新車運行のため、22編成は建築限界試験車として試験走行を実施したそうです。34編成はこれからシステムを入れ替えると説明を受け、運転室ドアにはシステム交換の注意書きが貼られていました。なお、ヘッドライトは外されていましたが、まだ廃車ではありません。
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