中国&自国製の新車がスタンバイ どうなる日本の譲渡車両 ジャカルタで去就について聞いてみた

インドネシア・ジャカルタの都市圏輸送を担うKAIコミューター「KCIコミューターライン」には、東京メトロやJR東日本から譲渡された車両が活躍しています。しかし古参のため置き換えられ数を減らしています。海を渡った日の丸車両の今を紹介します。

現地で“映える”元・東西線05系

 05系に関しては、実質的にタンジュンブリオク線専用の運用となり、008編成と010編成の2本がピストン輸送をしています。05系もチョッパ制御車のため、保守部品の供給は困難で、2025年2月時点では走行していたものの、いつ運用離脱となるのか分からない状況で、東急8500系が運用に就いたとの情報もあります。

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ジャカルタ・コタ駅は頭端式構造。駅舎は1926年に建てられたドーム型で天井が高く広々としている(2025年2月、吉永陽一撮影)

 タンジュンブリオク線の歴史は古く、ジャカルタ・コタ駅とタンジュンブリオク駅はオランダ統治時代に開業しました。重厚な駅舎とホーム屋根は05系と好対照で、コミューターラインへ訪れる際はぜひ乗車したい路線です。

 ジャカルタがバタヴィアと呼ばれていた時代、1925年にタンジュンブリオク~ジャティネガラ間が直流1500Vで電化され、2025年でちょうど電化100年。運行形態も、当初は電気機関車による客車列車でしたが、電化網の拡大とともにオランダWelkspoor製とアメリカGeneral Electric製の電車も走りました。このように、同線はジャカルタの電化路線の礎を築いた路線でもあります。

 また、チカラン線との乗換駅カンプンバンダンではホーム有効長が足らず、4両ほどのドアが線路上で開閉されます。4両編成だったタンジュンブリオク線は現在、8両編成も運用されているため、このような状態となっているのです。ドア近くに乗車中は、ドアの開閉にじゅうぶん気を付けましょう。

 KCIコミューターラインの少数派車両はチョッパ制御車がほとんどで、引退時期は確実に迫っています。今後、CRRCとINKA製の新車が登場するため、顔ぶれは確実に変わります。そのような過渡期ゆえに、これから数年間は鉄道ファンの姿が多くなると思われます。駅常駐の警備員は日本以上に厳しい態度をとります。現地に訪れる際は、周囲に気を配り、余裕をもって少なくなりつつある日本生まれの車両を見送りたいですね。

【写真】車両基地へ潜入! 日本の車両の数々(許可を得て撮影)

Writer:

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。

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