元祖「世界一セクシーな航空会社」どんなもの? 実際に乗ったら「やっぱ超トガってたわ…」
世界では「セクシー制服」をウリにする航空会社がこれまで複数生まれています。実はアメリカに、その“元祖的存在”となる航空会社がありました。どういったものだったのでしょうか。
PSA機、実際に乗ってみました!
PSA航空では、ミニスカートやホットパンツにブーツといった大胆なデザインを持つCA制服が導入されました。機体の塗装とCAの制服はともにオレンジを基調として統一する力の入れようでした。オレンジベースでホットパンツというのも、後に登場するフーターズエアとどこか似たようなコンセプトで、まさに元祖といったところです。
ちなみに、筆者は1978年に初めて渡米したときにPSAを利用したことがありますが、ユーモラスな機首デザインのボーイング727とともに魅力的なCAの服装に強烈な印象を受けたことを今でも記憶しています。
この機体に描かれたスマイルは同社のセールスポイントとしても大いに利用されました。同社のテレビ CMなどで使われていたキャッチフレーズは「Catch Our Smile」でした。あえて訳すと「スマイル機に乗りませんか。」と「私たちのスマイルを受け止めて。」の二つの意味が込められています。
とはいえ、先述のとおりPSAはもうありません。
アメリカでは1978年に航空規制緩和法が成立すると航空会社は大競争時代に突入します。さらなる価格競争に加え、路線開設の点でも、規制が緩和されたのです。
そのためPSAはリノやラスベガス、ソルトレークシティーなどにも路線を伸ばし、一時はアメリカ西部全域の路線網を持つに至りました。機材の更新にも力を入れ、主力として運航されていたボーイング727は、双発ジェットのマクダネル・ダグラスMD-80に置き換えられていきました。
しかしこの80年代は、生き残りをかけた競争により疲弊した多くの航空会社が、次々に大手航空会社に買収されていた時代でもあります。PSAもこの動きに抗することができず、1988年にUSAirに吸収されました。こうして旧PSAは航空会社としては消滅してしまいましたが、地域密着型のローコスト航空会社が路線網を徐々に広げて成長するビジネスモデルは、現代のアメリカの大手航空会社も参考にすることになります。
そのことを証明するのが、アメリカの超大手LCC(格安航空会社)、サウスウエスト航空を設立したローリン・キング氏の発言で、PSAの事業形態を大いに参考にしたと明言しています。
PSAはカリフォルニアの気候や風土に相応しい明るくフレンドリーな航空会社でした。会社そのものは消滅してしまいましたが、そのDNAは未だにアメリカのLCCに残っています。
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