日本時代の表記そのまま! 世界唯一「ブルートレイン夜行」に乗る 国際列車へ抜擢されたワケとは

14系・24系寝台客車は、日本では廃車により乗車できなくなりましたが、タイ国鉄の夜行列車ではまだ大活躍しています。タイとラオスを結ぶ定期の国際快速夜行列車に使用されています。

日本ではとうに見納めとなった光景

 指定券は日本からでもオンライン購入可能です。筆者(吉永陽一:写真作家)は直前で入手できましたが、寝台車を増結したためだったようで、運が良かったといえます。ただし数十分後には満席となり、乗車予定は早めに計画する方が吉でしょう。

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A.N.S.238(オハネフ25 139)の車内。ブルートレインを体験した者にとっては、この空間に立った途端に懐かしさがこみあげてくるだろう(2025年2月10日、吉永陽一撮影)

 133レと134レはバンコクのクルンテープ・アピワット中央駅発着です。長距離列車の発着はほとんどが、この高架ターミナル駅となりました。筆者の乗車日は寝台車が2両で、先頭から機関車+荷物車+2号車寝台+3号車クーラー座席+3/1号車寝台、4号車非冷房車自由席……と続いていました。3/1号車とは増結車のことで、北海道の「増2号車」を連想します。

 2号車の車番はタイ国鉄A.N.S.238(オハネフ25 139)、3号車はA.S.C.103(オハ14 76)、3/1号車はA.N.S.240(オハネフ25 301)です。元「あさかぜ」用荷物合造寝台車も残っていました。車内はすでに寝台リネンがセットされ、折りたたみ式の階段や栓抜きも現役。上段へ寝転びながら車掌の検札を受け、通路の折り畳み椅子を倒して過ぎ去る車内を眺める――ブルートレインに乗車した時の高揚感を思い出しました。注意点は禁煙なだけでなく、禁酒であること。違反者には多額の罰金が課せられるので、寝台車での一杯はお預けです。

 一夜が明けて朝日が入り込む車内は、各寝台から寝起きと身支度の音が忙しなく聞こえます。そこをかきわけ、職員が手早く寝台リネンを片付けます。この光景はタイ国鉄の夜行列車全般で見られますが、日本では寝台列車の昼行運用の減少と共に消えました。それをタイで体感できるとは、なんとも新鮮な気分です。

日本時代の表記そのまま タイ~ラオス国際快速夜行を見る(写真)

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