川崎の「立入禁止の島」への道路、あと3年で整備!? 首都高湾岸線には新インター 世にも珍しい“海底トンネル私道”はどうなる?

川崎市臨海部で一般人の立ち入りが制限されている「扇島」。JFEスチールの製鉄所からの土地利用転換で、同社の構内通路を公道化する具体的な整備内容が決まりつつあります。首都高には新しいICも設けられる見込みです。

ん? 海底トンネルどうなるの…?

 このほか、水江町と東扇島のあいだに建設が進められているシンボリックな斜張橋を含めた「臨港道路東扇島水江町線」には、扇島方面から水江町方面への入口ランプが追加建設される予定です。これは扇島の道路整備に伴う「東扇島の交通負荷軽減策」として決まり、2031年頃の完成が目指されています。完成後は、これが扇島に最も近い内陸側(川崎駅方面)とのアクセス拠点となります。

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建設中の臨港道路東扇島水江町線の斜張橋(2024年)。右はJFEスチールの工場で、海底トンネルも工場内から延びている(乗りものニュース編集部撮影)

 今後、2028年度の先導エリア一部利用開始後、2030年度の先導エリア概成時、さらに2050年頃の全体概成時と、道路も段階的に拡張していく計画です。

 ただ、JFEの構内道路である海底トンネルについては、これらの計画で言及されておらず、扇島への公道アクセスルートには組み込まれない見込みです。

 JFE側が他の構内道路の公道転換後も、構内道路としての機能を一部残すとしているので、海底トンネルも当面は構内道路として存続すると考えられますが、前出した建設中の臨港道路東扇島水江町線は、実質的にトンネルの代替路といえます。建設から半世紀を経ている海底トンネル自体の老朽化も懸念されるため、今後の行方は不透明と言わざるを得ません。

 ちなみに、扇島地区では複数の大規模プロジェクトが同時進行しています。2024年7月に日本水素エネルギーがJFEスチールと土地賃貸借契約を締結し、「液化水素サプライチェーンの商用化実証」における液化水素受入地として活用が始まりました。また、「高度物流拠点」のほか、大水深バースを活用した公共埠頭や臨港道路の整備も計画に位置づけられています。

【だいぶ具体になってる!】これが「立入禁止の島」の道路計画です!(地図/画像)

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