ウクライナ空軍「最新戦闘機」で一新へ? 中核は「グリペン」 カネの心配よりも大きなメリットとは?

スウェーデン政府がウクライナとの航空戦力分野における協力に関する意向書に署名したと発表しました。この中には、ウクライナが最新戦闘機JAS39「グリペンE」を最大150機調達する計画も含まれています。

「F-35」と双璧? 最新戦闘機「グリペンE」とは

 スウェーデン政府は2025年10月22日、ウルフ・クリステルソン首相とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、航空戦力分野における協力に関する意向書(LOI)に署名したと発表しました。

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ウクライナとスウェーデンの調印式にて(画像:スウェーデン政府)

 この意向書の内容は航空戦闘、防空、戦闘機などの先進技術の活用に関する経験と知識を両国が共有することで、将来的にウクライナの空軍力を強化することを目的としたものです。その中にはウクライナがJAS39E「グリペンE」戦闘機を100~150機調達することも含まれています。

 JAS39Eは1980年代に開発されたJAS39「グリペン」の発展改良型です。グリペンEの外観はJAS39と大差無く見えるのですが、全長はJAS39の14.9mから15.2mへ、全幅も約20cmそれぞれ拡大されています。機体の拡大によって生じたスペースには燃料タンクを増設して、航続距離の延伸と、兵装搭載量の増加を図っています。

 エンジンはグリペンがF/A-18「ホーネット」などと同じ「F404」ターボファンエンジンだったのに対し、グリペンEは軽量な機体にF404よりもパワーの大きな「F414」エンジンを組み合わせています。これによりグリペンEはF-22などと同様、アフターバーナーを使用することなく超音速で飛行する「スーパークルーズ」能力を備えています。

 またグリペンEには広範囲の索敵と照準が可能なAESAレーダーが搭載されているほか、レーダーやIRST(赤外線捜索追尾装置)が収集した情報を融合し、コンピュータが自動的に整理してパイロットに表示する「データフュージョン」という能力も備えます。これは現時点で自由主義諸国が開発した戦闘機の中では、F-35とグリペンEとその複座型グリペンFだけが持つ能力です。

新造機は“タダ”じゃあり得ない

 クリステルソン首相はグリペンEの輸出に関して、「最初の課題は(ウクライナ)の購入資金の調達方法だ」と述べています。

 ウクライナは現在、アメリカやNATO(北大西洋条約機構)加盟国などから中古や予備保管状態にあった防衛装備品の無償供与を受けていますが、グリペンEを導入する場合は有償になりますし、仮にウクライナが150機を導入した場合、その購入金額は300億ドル(約4兆6000億円、10月30日時点)程度と報じられています。その資金の調達はウクライナにとって、簡単なことではないでしょう。

 ただ、グリペンEの導入はウクライナにとって、巨額な資金を投じるだけの価値はあると筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)はあると思います。

【コレ人乗ってません!】マジで飛んでる「無人グリペン」(写真で見る)

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