“貨物をまるごと飲み込む”異形の新型無人機が公開 これぞ「極小のベルーガ!?」 日本も軍民両用で検討の“輸送機型”
シンガポールの重工業メーカーが、機首から貨物を積み下ろしできる新型輸送UAS(無人航空機システム)を発表しました。離島や僻地が抱える物流問題の解決策として期待されており、日本の防衛分野でも同様の技術活用が検討されています。
もちろん日本も「軍民両用」で検討
シンガポールエアショーでは中国の「ユナイテッド・エアクラフト・テクノロジー」が開発した輸送用UAS「T1400」の展示も行われていました。
T1400は陸上自衛隊なども運用している輸送用ヘリコプター、CH-47「チヌーク」と同様、機体前後の2基のローターで垂直離着陸と水平飛行を行うタンデムローター型のUASで、貨物はDrn-600と同様、胴体内へ搭載されます。
中国は離島だけでなく、交通の便の悪い山間部などの僻地も数多く抱えており、ユナイテッド・エアクラフト・テクノロジーの担当者は、これらの地域への安価で人的資源への負担の小さい物資輸送の手段として、T1400には需要があるのではないかとの見方を示していました。
そして、Drn-600もT1400も軍事用途での活用も検討されています。メーカーはその点を前面に出してはいなかったものの、輸送用UASの防衛分野での活用は日本でも試みが始まっています。
防衛装備庁は2025年12月18日に「離島における兵站支援上の課題の克服に必要な無人航空アセットの主要性能及び機体システムの検討に係る技術検討役務」の一般競争入札の公告を行っています。これは、船舶やヘリコプターなどで行ってきた離島部の部隊への物資輸送にUASを使用するにあたって、UASに求められる性能などを策定するために行われたものと考えられます。
陸上自衛隊はアメリカのサイトテックが開発した、最大50kgの物資の輸送が可能な輸送用UAS「KAYANA1750」や、やはりアメリカのエルロイ・エアが開発したVTOL型輸送用UASの検証を行っています。
三菱重工業もヤマハ発動機とタッグを組み、ガソリンエンジンで発電した電力で飛行することで、電動UASよりも長い航続距離(最大200km)と大きな貨物搭載量(最大200kg)の実現を目指すハイブリッド型輸送用UASの開発を進めており、2025年7月にはバッテリー駆動型の輸送用UASが、陸上自衛隊の首都直下型地震の救援を想定した訓練に参加しています。
日本も中国と同様、離島部や僻地を数多く抱えており、こうした地域への物流確保に不可欠な輸送手段の人員確保も、少子高齢化で困難になりつつあります。この状況を打開するための手段として、輸送用UASは防衛分野での活用だけでなく、民間分野での活用も、積極的に行われていくべくだと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。





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