絶体絶命のピンチを救う! 山道にある「謎の砂利坂」の正体とは? “壁”にぶつけて止めるのは絶対ダメな理由
箱根などの峠道で見かける、砂利が盛り上がった謎の脇道。あれはブレーキが効かなくなった車を救う「緊急退避所」です。タイヤを砂に沈ませて止める驚きの仕組みと、命を守るための緻密な設計とはどのようなものなのでしょうか。
なぜ「壁」ではいけないのか?
多くの緊急退避所は「スキージャンプ台」のような上り坂の形をしています。砂利による抵抗に加えて、上り坂の勾配(重力)も利用することで、さらに効率よく速度を落とす設計になっています。
その一方で、砂ではなく障害物、それこそ「木の壁」のようなものを設けて坂や崖から落ちないようにするのはダメなのでしょうか。その方が短距離で止められそうですし、また狭い場所にも設けることができるため、使う土地も少なくて済みます。
もし壁に衝突させて急停止させる方式だと、停止するまでの距離が非常に短くなります。しかし、短距離で急制動をかけるとなると、車体や乗っている人に一気に巨大な衝撃が加わるため、車が止まれたとしても命に関わるような大事故になってしまう恐れがあります。
それに対して緊急退避所(グラベルベッド型など)は、砂利の中を数十メートル以上の一定の距離を使って進みながら、徐々に速度を落とす設計思想に基づいています。こうすることで、衝撃をうまく分散させて、乗っている人へのダメージを最小限に抑えようとしているのです。
突入後は砂や砂利にタイヤが深く沈み込むため、自力で脱出することは困難になります。そのため、レッカー車などの救援が必要になるでしょう。なお、一度使用された後は再び誰かの命を救えるように、管理者による砂利のならし作業などのメンテナンスが行われます。
普段は何気なく通り過ぎており、ほとんど気付かないかもしれませんが、そこには万が一の時に「安全に止める」ためのノウハウが隠されているのです。





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