「一部マニアにしか良さがわからない」なんであんなに流行ったの…? 角目&カクカクなバイクが生まれた“時代” 「実車版LEGO」まで
日本のバイク史において、1980年代初頭は特に多彩なモデルが登場した時代です。その多くに共通するのが、ヘッドライトが四角い「角目」や、全体的に角張った「カクカクデザイン」でした。なぜ当時、このようなデザインが流行したのでしょうか。
スズキのアレも「カクカク」で誕生 バイク史に残したもの
「HY戦争」の最中、「蚊帳の外」的な立ち位置でもあったスズキですが、ホンダと並んでいち早く「角目」「カクカクデザイン」のモデルを発売しています。
その先駆けとなったのは1980年発売のRG125E。一見地味なネイキッドバイクのようにも見えますが、その細部のデザインは実に秀逸で、まるでヨーロピアンバイクのよう。パワーリードバルブ、アルミシリンダーなどを採用し、ポテンシャルそのものも高い1台で、今日でも根強いファンを持つ隠れた名車です。
また、同年には「角目」「カクカクデザイン」のナナハン、GSX750E を発売。フロント周りの「角目」が特徴的で、「牛のように見える」ことから「ベコ(牛)」の愛称で親しまれたモデルで、当時クラス最高の速さを誇りました。
また、1981年にはRG80Eを発売。前年のRG125Eの弟分的モデルですが、もちろん「角目」「カクカクデザイン」をしっかり継承。ガソリンタンクの斜めにカットされたラインがなかなかスズキ的ですが、翌年に発売となるRG-ΓシリーズにRGシリーズが集約され、いつの間にか姿を消したモデルでもあります。
そして同年には、スズキの「角目」「カクカクデザイン」の名車・GSX1100S KATANAの初代も登場しました。前年にドイツで開催されたモーターショーで脚光を浴び生産に至ったモデルですが、刀をモチーフにした独特なデザインとその性能によって、スズキを代表するバイクとなり、様々な排気量のモデルを展開。今日まで続くロングセラーモデルになりました。
ここまでの通り、「角目」「カクカクデザイン」のバイクは1980〜1983年までがピークで、以降は文字通り「角」が取れたデザインへと変貌していきます。当時的には、角ばらせることで近未来性、斬新性を目指したのだと思いますが、今見返すと、逆に古く感じるものも多いのが正直なところ。
ただし、この時代の「角目」「カクカクデザイン」のバイクは実験的すぎる珍車が多い一方で、ホンダのリードやジャイロ、スズキのKATANAのようなロングセラーを生んだのも事実です。ある意味で、従来の既成概念にとらわれずに挑戦をしなければ新しいバイクや名車に至るものは生まれないことを、この時代の「角目」「カクカクデザイン」のバイクたちが示してくれているようにも思います。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。





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