ホルムズ海峡周辺に自衛隊を派遣「できます」 トランプ要望への法的根拠は魔法のワード「調査研究」 武器も使える!?

緊張状態が続く中東ホルムズ海峡。アメリカのトランプ大統領は、日本を含めた各国に商船護衛のための艦艇派遣を要請しています。一部報道では、日本政府がこれに対応するための法的整理を行っているとか。その内容を解説します。

便利な「調査研究」 そのメリットとデメリット

 防衛省および自衛隊はこの調査研究を、非常に使い勝手のよい便利な規定として様々な場面に活用してきました。たとえば、日本周辺地で怪しい動きがないかどうかを自衛隊が艦艇や航空機を使って常時監視している、いわゆる警戒監視活動について、防衛省がその活動の根拠としているのは調査研究です。これは、防衛省が警戒監視を「日本を防衛するという防衛省の所掌事務の遂行に必要な調査および研究」ととらえているためです。

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アメリカ海軍の空母「キティホーク」。2001年12月23日、アフガニスタンでの作戦を終え、横須賀へ帰港した(画像:アメリカ海軍)。

 さらには2001(平成13)年に発生した「9.11同時多発テロ」を受けて、同月に神奈川県の横須賀基地から出港するアメリカ海軍の空母「キティホーク」を、海上自衛隊の護衛艦がエスコートした際も、日本政府はこれを警戒監視活動の一環としてとらえ、その法的根拠は調査研究であると説明しました。

 また、調査研究を実施できる地理的範囲は、「防衛省の所掌事務の遂行に必要な範囲であるか否かとの観点から決められるべき」というのが日本政府の立場で、つまりこれに関しては特段の制約はないというふうにとらえることも可能です。

 実際、2019(令和元)年に今回と同じく中東のホルムズ海峡付近にて民間船舶が襲撃を受ける事例が発生した際、日本政府は翌年の2020(令和2)年に海上自衛隊の護衛艦と対潜哨戒機を中東地域へ派遣しましたが、この時の法的根拠がまさに調査研究でした。

 このように、調査研究という規定は平時に自衛隊が活動する際の法的根拠という面では非常に使い勝手のよい規定ですが、その反面で武器を使用することができないというデメリットも存在します。たとえば、自衛隊法上の「海上警備行動」や「治安出動」であれば、「こういった場合に武器を使うことができます」という規定が盛り込まれています。

 しかし、すでに見た通り調査研究にはそれがありません。つまり、調査研究を根拠として警戒監視活動を実施する場合、派遣される自衛隊の艦艇や航空機が武器を使用するためには、そのための法的根拠が別途、与えられていなければならないのです。

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コメント

2件のコメント

  1. 行けるというなら筆者が責任をもって一番最初にホルムズ海峡に行くんですよね?

  2. ピンチはチャンス。植民地から脱却して真の主権を守るためには狡猾でどぎつい究極に計算高い外交政治と国内政治を展開しなければならない。早苗ちゃんがんがれ。早期警戒型無人海洋ドローンの展開を望む。安価で使い捨て可能な潮流発電機搭載型海洋ドローンで海上の飛翔体や海中の機雷をAIで認識することは可能だろうか。専用の通信衛生ネットワークも欲しいところ。