ホルムズ海峡周辺に自衛隊を派遣「できます」 トランプ要望への法的根拠は魔法のワード「調査研究」 武器も使える!?
緊張状態が続く中東ホルムズ海峡。アメリカのトランプ大統領は、日本を含めた各国に商船護衛のための艦艇派遣を要請しています。一部報道では、日本政府がこれに対応するための法的整理を行っているとか。その内容を解説します。
自衛隊派遣で考えられる活動内容とは
それでは、仮に日本政府が調査研究を根拠として海上自衛隊の護衛艦や哨戒機を派遣すると決めた場合、その活動内容はどのようなものが考えられるのでしょうか。まず、調査研究はあくまで情報収集が目的であるため、トランプ大統領が求めている商船護衛にはなじみません。おそらく、活動海域も懸案であるホルムズ海峡よりも南方のオマーン湾やアラビア海北部に限定されると筆者(稲葉義泰:軍事ライター)は考えます。
ただし、不測の事態に備えて武器使用権限は別途付与されることになるでしょう。それが。自衛隊法第95条に規定されている「武器等防護のための武器使用」です。
これは、日本の防衛力を構成する重要な物的手段たる自衛隊の武器等を破壊や奪取から守るための武器使用権限を、その任務を与えられた自衛官に付与するというもの。事前に武器等を退避させたり、人に危害を加えられるのは正当防衛または緊急避難に該当する場合に限るなど、武器使用には厳しい要件が課されています。
しかしそのおかげで、日本の領域外で他国軍からの襲撃に対処したとしても、これは憲法上その行使が禁じられている武力の行使には当たらず、そのため憲法上の問題は生じないというのが日本政府の見解です。そのため、派遣される護衛艦の乗員に「自分の艦を対象とした武器等防護のための武器使用」を命じておけば、仮にイランの革命防衛隊からミサイル攻撃を受けたとしても、これに対処することが可能です。
そして、基本的に武器等防護のための武器使用は、自衛隊が保有する武器等を守ることを目的としていますが、その効果がそれ以外のものに及ぶことがあり得ます。たとえば、海上自衛隊の護衛艦が自艦防護のため、接近する自爆型無人機を撃墜したとします。このとき、たまたま民間船舶が護衛艦と接近した状態で並走していたとすると、自艦防護が結果的にこの民間船舶をも防護したことになるというケースがそれです。つまり、極めて限定的な場合ではありますが、武器等防護により商船護衛を行うことも不可能ではありません。
ちなみに、先述した2020年に開始され、現在でも継続中の中東地域における情報収集活動に従事する海上自衛隊の護衛艦には、その乗員による武器等防護が可能なように権限が付与されていると、2020年3月17日に当時の河野太郎防衛大臣が国会で答弁しています。もし、海上自衛隊の護衛艦が調査研究を根拠にホルムズ海域周辺へと派遣される場合には、現在実施されている中東での情報収集活動は、その重要な先例となるでしょう。
ただし、こうした国内法上の整理が、必ずしも国際法上の問題を起こさないとは限りません。たとえば、日本国憲法上は武力の行使に当たらないとしても、国際社会からは国際法上の武力の行使(use of force)とみなされ、別途国際法上の説明を求められることになるかもしれません。日本政府による理論整理がどのように行われることになるのか、注目されます。
Writer: 稲葉義泰(軍事ライター)
軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。





行けるというなら筆者が責任をもって一番最初にホルムズ海峡に行くんですよね?
ピンチはチャンス。植民地から脱却して真の主権を守るためには狡猾でどぎつい究極に計算高い外交政治と国内政治を展開しなければならない。早苗ちゃんがんがれ。早期警戒型無人海洋ドローンの展開を望む。安価で使い捨て可能な潮流発電機搭載型海洋ドローンで海上の飛翔体や海中の機雷をAIで認識することは可能だろうか。専用の通信衛生ネットワークも欲しいところ。