「幻の新幹線」の遺構が“単線並列”の大動脈に! 国際空港周辺の「未成線」「日本一短い路線」を上空観察
かつて「新東京国際空港」とも呼ばれた成田空港の周辺には、鉄道路線があります。JR、京成電鉄、芝山鉄道を紹介します。
異なる軌間の線路が高架橋で並ぶ
空港の空撮は、事前に関係各所への申請と、当日の上空が安全と管制から認められた場合にのみ実施できます。
芝山千代田駅は日本貨物輸送の駐機場と整備場付近にあります。芝山鉄道線は空港建設の地元への補償として建設され、当駅は計画段階で整備場前という仮称でした。駅は高架構造で、線路がプツっと途切れています。当初は九十九里浜方面への延伸構想もありました。芝山鉄道線は約2.2kmと、旅客営業鉄道ではケーブルカーを除いて日本一短い鉄道であり、芝山鉄道もアピールしています。
「成田エクスプレス」は成田駅から支線を走って、高架橋へ合流します。高架橋はプツッと途中で途切れた不思議な形状をしており、いかにも未成線があった雰囲気。これが成田新幹線計画で建設された高架橋です。元々、東京駅と成田空港を結ぶ空港アクセス新幹線の計画でしたが、現在はJR「成田エクスプレス」と京成「スカイライナー」がその任を担っています。
新幹線のために準備した高架橋も、この両特急が走る路線となりました。興味深いのは、レールの間隔である軌間がJRは1067mm、京成は1435mmのため、一見して複線なのに実際は異なる軌間の線路が単線並列となっていることです。
成田空港発着の飛行機窓からだと、これらの空撮写真のようなカットは角度などが異なるため難しいですが、16R(A滑走路を北から南へ)の離陸の場合は左席に座っていると、離陸直後に日本貨物輸送のハンガー越しに芝山千代田駅がチラッと見えるかもしれません。
また、成田空港に着陸する際、16Rの方向であれば右席にチラッと成田新幹線の遺構が見えるかもしれませんが、ちょっと距離はあります。
成田空港を利用する際は、時間に余裕があれば日本一短い鉄道の芝山鉄道線に乗車してみるのも楽しいかもしれませんね。
Writer: 吉永陽一(写真作家)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。





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