ホルムズ海峡「逆封鎖」は合法? むしろ誤報!? アメリカとイランの行為の大きな“違い” カギは国際法にあり

アメリカ中央軍がイランに対する「封鎖」を発表しました。一部で「ホルムズ海峡の封鎖」あるいは「逆封鎖」などと報じられていますが、誤報ともいえます。国際法における「封鎖」とは何か、今回の措置がなぜそう呼ばれないのかを解説します。

封鎖が認められるための要件とは

 封鎖は、それを実施するにあたって各種の条件が付されています。この条件が満たされない限り、先述した船体および積み荷の没収という、封鎖によって生じるきわめて強力な法的効果は生じないことになります。

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2026年4月11日にホルムズ海峡を通航したアメリカ機軍の駆逐艦(画像:アメリカ中央軍)。

 まず、封鎖を行えるのは敵国の領水、その先の公海、および排他的経済水域(EEZ)に限られています。従って、封鎖を実行している国や、武力紛争の当事国ではない国の領水や排他的経済水域などでは、船舶の航行を防止することはできません。加えて、国際的な航行に使用されている海峡である国際海峡に関しても、封鎖の対象海域に含めることは基本的にできません。

 また、封鎖は船舶の航行を防止するに足りる兵力(水上艦艇など)により実効的に行われる必要があり、これは「実効性要件」と呼ばれます。

 学説上、水上艦艇を伴わずに哨戒機などの航空機のみによる封鎖は実効性要件を満たし得るのか、という論争もありますが、アメリカなど主要国の海軍では封鎖に使用される兵器の種類に細かな制限を設けていないことから、少なくとも実務上は措置の実施を水上艦艇に限定することは支持されていないように思えます。

 さらに、封鎖を行うという宣言および他国への通告が必要とされており、これは「宣言告知要件」と呼ばれます。この宣言・告知とは、封鎖を行う地理的範囲、措置の開始日、並びにとられる措置の内容を公的に発表することを指します。封鎖はきわめて強力な措置のため、武力紛争の非当事国船舶が封鎖を回避することを可能にするために設けられた要件です。

 これらを踏まえると、おそらくアメリカ軍はペルシャ湾およびオマーン湾に海軍艦艇や航空機を展開し、イランの港湾に出入港する船舶を監視するとともに、封鎖侵破船に備えることになると思われます。

【画像】アメリカ軍の対イラン攻撃「壮絶なる怒り作戦」の様子を写真で見る

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