エアショーに参加した「珍客」世界で唯一の“頭デッカチな輸送機”はなんのために作られたのか?

フロリダ州のレイクランドで2026年4月14日から19日まで開催された「サンファン・エアショー」に、ずんぐりと膨らんだ機体が登場しました。

宇宙開発が生んだ異形の輸送機

  スーパーグッピーの誕生は1960年代、NASAが進めていたアポロ計画にさかのぼります。

Large 20260513 01

拡大画像

「サンファン・エアショー」の会場であるレイクランド空港のエアショー会場に駐機しているNASAのスーパーグッピー(Joe Caccioppo撮影)

 当時、人類を月へ送り込むために開発された「サターンV」ロケットは、全長約110m、重量約2900トンを誇る、現在でも人類史上最大の宇宙ロケットです。←(読点整理)

 それを構成する巨大な部品を全米各地の工場から打ち上げ拠点まで輸送する必要がありましたが、陸路や海路では時間や制約が大きく、迅速な輸送手段が求められていました。そこで開発されたのが、この“異形の輸送機”でした。

 ベースとなったのは、第二次世界大戦期の爆撃機B-29の技術を基に開発された旅客機「ボーイング377ストラトクルーザー」です。この機体を大幅に改造し、胴体を拡張したものが、グッピーシリーズの始まりです。

 最初の試作的存在である「プレグナント・グッピー」、改良型の「スーパーグッピー」、そしてエンジンをターボプロップ化して性能を高めた「スーパーグッピー・タービン(SGT)」へと発展し、合計6機が製造されました。

 現在NASAが運用しているのも、この最終型であるSGTです。同機は現代においても現役で、国際宇宙ステーション(ISS)関連機材のほか、アルテミス計画で使用される「オリオン宇宙船」の構造部品などの輸送にも投入されています。

 巨大な宇宙機部材を分解せずに迅速に移動できる能力は、現代の宇宙開発においても依然として代替が難しく、スーパーグッピーは現在も宇宙開発を支える重要な輸送機として運用されています。

【画像】ええ!? そこ開くの? これが、スーパーグッピーの格納庫です

Writer:

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. 「春日部」から独立「県内8番目のナンバープレート」実現なるか? 新「ご当地ナンバー」導入へ早くも動き これから各地で?
  4. 品川と青森を結ぶ「新たな夜行特急」が2027年度から運行へ 所要時間は12時間超え フルフラット仕様の個室も
  5. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  1. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  2. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス
  3. ロシア海軍のステルス艦が「大炎上」 ウクライナの攻撃で撃破される瞬間を捉えた映像が公開
  4. 「春日部」から独立「県内8番目のナンバープレート」実現なるか? 新「ご当地ナンバー」導入へ早くも動き これから各地で?
  5. 空母化進む「最大の護衛艦」がフェリーと並んだ! 大きさの違いが際立つショットを海自が公開