夏だけホテルもレンタカーも「べらぼうに高い!」 季節で極端に違う「変動が大きすぎる都市」そのワケとは? 逆に“穴場”を狙うなら?

北海道では特定の時期に、ホテルやレンタカーの料金が他都市に比べ極端に高騰する都市があります。背景にはどのような事情があるのでしょうか。

「日本最北の街」の夏は短い そして「独占路線」

 稚内市は「日本最北の街」として高い知名度を誇っています。しかし2026年5月末現在の人口は約2万9000人という市としては小さな自治体です。

 稚内空港には東京・羽田空港と1日4便(2往復)、同じ北海道・新千歳空港と1日4便(2往復)の定期便が就航していますが、人口規模を考えると、ビジネス客は限定的です。そのため、稚内市内のホテル、稚内空港のレンタカーは、もっぱら観光客の需要に支えられていると考えられます。

 ただ稚内市はその地理的要因から、観光シーズンが限られています。日本列島に春が訪れるとされる4月でも、稚内市の平均気温は6.5度(稚内市公式サイトより引用、以下同)で、東京の1〜2月と同等です。平均気温が20度に近づくのは7月で19.2度、以降8月は20.8度、9月は19.0度と過ごしやすい気候になりますが、10月には12.7度まで下がり、11月には4.9度と東京の真冬以下になります。

 そのため、稚内市で快適に観光が楽しめるのは、7月から9月に限られてしまいます。また稚内市は人気の離島、利尻島および礼文島への玄関口でもありますが、この両島も同様の理由から、観光客の来訪は7月から9月に集中します。

 旭川市、帯広市、釧路市など、同じ北海道でもより大きな都市であれば、観光のオフシーズンでもビジネスホテルやレンタカーにビジネスでの需要が生まれます。しかし稚内市ではオフシーズンの需要が限られて、ホテルの部屋数、レンタカーの台数ともに絞らざるをえません。

 そして7月から9月という限られた期間で年間の収益を上げるという構造から、この期間のホテルの宿泊料金、レンタカー料金が他の都市に比べ割高になってしまうのでしょう。

 また稚内市への旅行のハードルを上げているもうひとつの理由があります。それは稚内空港と羽田空港とを結ぶ定期便はANA(全日空)に限られていることです。

 旭川空港、とかち帯広空港、釧路たんちょう空港など、前記の各都市最寄りの空港にはANA(コードシェア便含む)のほか、JAL(日本航空)も就航し、競争関係による運賃値下げ圧力が生まれます。しかし稚内空港はANAによる独占で、これら各空港よりも運賃は高めになっているのです。

地域によっても「穴場」の時期が異なる

 この稚内市の例とは逆に、北海道では一部の時期にホテルの宿泊料金やレンタカー料金が安くなる地域もあります。その一例が、11~12月の「網走市」です。

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夏の稚内駅(乗りものニュース編集部撮影)

 網走市はオホーツク海の冬の風物詩ともいえる流氷観光で知られる街ですが、11月から12月にかけては流氷がまだ到来する前で、かつ観光に向かない気候のためです。

 そしてこの時期には最寄りの「女満別空港」を発着する便にも空席が多く、JAL(日本航空)のミステリーツアー的特典航空券「どこかにマイル」では行き先候補として頻出します。

 このように、同じ季節でも地域の違いで需要が異なり、価格差が生まれるケースは全国にあります。

 ちなみに、費用面が気になる夏の稚内ですが、航空券はマイルによる特典航空券を使う、土日を避けてスケジュールを組むなどすれば、予算を節約することも可能です。雄大で青い海と空、夏が旬の海鮮グルメなど、最北の地にはこの時期ならではの魅力もあります。

【ね、高いでしょ】夏だけ「べらぼうに宿が高くなる街」「そうでない街」(画像で比較)

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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