ピラミッド至近を“日の丸電車”が走る!「4000億円のビッグプロジェクト」鉄道車両の船積みに密着してきた

川崎汽船は2026年6月13日、エジプト・カイロ向けの地下鉄車両(近畿車輛製)を大型自動車船に積み込む作業を公開しました。緊迫する中東情勢を受け「喜望峰ルート」で運ばれる巨大プロジェクトの舞台裏を取材しました。

紅海を迂回し、喜望峰を経由する長旅へ

「準備作業の時間が最もかかる」と川崎汽船関西支店の岡本龍太副支店長は話します。また「車両をトレーラーに乗せる作業にはいろいろ確認する点が多いため、メーカーも一緒に来て結合などもしている。8両でほぼ1日かかる」とも述べていました。

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川崎汽船の自動車船「OCEANUS HIGHWAY」にカイロ地下鉄向けの鉄道車両を積み込む様子(深水千翔撮影)

「OCEANUS HIGHWAY」は神戸港を出港すると、広島港やシンガポール港などに寄港。アフリカ大陸最南端の喜望峰を回ってジブラルタル海峡から地中海へと入り、東進したのちアレクサンドリア港で地下鉄車両を降ろします。短絡ルートであるスエズ運河を通らないのは現在、フーシ派の武力攻撃に伴って、紅海とアデン湾を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡が通航できないためです。

「日本から喜望峰経由でアレクサンドリアまでだと、だいたい2か月ぐらいかかります。スエズ運河を通ることはかなりのリスク。当社と日本郵船、商船三井の大手3社は通らないようにしている」(岡本副支店長)

 川崎汽船の自動車船事業は2026年3月期の売上高で約37%を占めており、単体のセグメントとしては最大です。同社の中期経営計画では、自動車船事業について成長を牽引する事業の1つとして位置づけており、なかでも大型・重量貨物の拡大・多角化を具体的な施策として設定しています。

 今後は、より重い、より長い荷物を積める荷役機器の開発や、保有する自動車船を約6000台積みから今の最大船型である7000台超えのものに置き換えていくことで、輸送品質の担保が重要な大型・重量貨物の分野で顧客のニーズを取り込んでいく計画です。

 田中チーム長は「今回のカイロ地下鉄プロジェクトも、JICAが支援するODA案件であり、三菱商事や近畿車輛と共に一丸となって取り組むプロジェクトだ。日本の産業の国際競争力を下支えするようなところを担っていきたい」と話していました。

【写真で見る!】これが自動車船の中にズラリと並んだ「日の丸鉄道車両」です

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