性能で劣る「グリペン」なぜ急浮上? カナダの「F-35本命状態」を狂わせた“国民感情の悪化”とは

カナダ軍の次世代戦闘機計画で、にわかに浮上したJAS39E「グリペンE」の名前。F-35を受け入れにくいカナダの雰囲気とは?

「アメリカ以外」の象徴としての「グリペンE」

 それにもかかわらず、なぜカナダは「グリペンE」の導入を真剣に検討しているのでしょうか。その背景には、近年急速に冷え込んだアメリカとの政治関係が存在しているようです。

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グリペンEは既存のグリペンをベースに性能向上を果たした発展型であり、元々輸出専用機だったがスウェーデン本国向けにも採用されている(画像:SAAB)

 アメリカのドナルド・トランプ大統領は、かねてよりカナダに対し強硬な発言を繰り返してきたことで知られます。関税問題をめぐる批判のみならず、時には「カナダはアメリカの51番目の州になったほうがよい」といった過激な表現まで口にしています。もちろん、これを文字どおりの領土要求と解釈する必要はありません。しかし、国家主権を重んじるカナダ国民にとって、そのような発言が極めて不快なものであることは間違いないでしょう。

 こうした背景から、カナダ社会では対米感情が著しく悪化しています。軍事分野においても、「安全保障の根幹を過度にアメリカへ依存してよいのか」という議論が以前にも増して活発になっています。そして、アメリカ以外の選択肢を模索する中で、自立の象徴として急浮上したのが「グリペンE」なのです。

【画像】カナダが注目! 「グリペンE」とはどんな戦闘機?

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