総額1000億円超!? 米軍が直面した「1機ウン十億円の大型無人機」大量喪失 人的損失なくても無視できない衝撃
2026年2月末に開戦したイランとの戦争において、米軍やイスラエル軍は圧倒的な航空優勢を確保し、有人機の被害を最小限に抑え込みました。しかしその裏で、1機30億円以上する大型無人機「MQ-9」が大量に撃墜されています。
1機30億円超。果たして「許容可能な損害」か?
こうしたなか、低速で機動力に乏しいMQ-9は、前述したような孤立こそしていても依然として活動能力を保持し続けていた防空部隊にとって格好の標的となったのです。戦闘機であれば高速飛行や自己防御システム、さらにはステルス性能によって生存性を高めることができます。しかしリーパーにはそのような防御手段が限られており、一度発見されれば撃墜される危険性は極めて高くなります。
もちろん、無人機である以上、操縦士が死亡したり捕虜となったりする危険はありません。ここに無人機最大の利点があります。有人機であれば撃墜は人的損失と政治的損失を伴い、場合によっては搭乗員の救出作戦が必要となるため、二次的なリスクを軍に強いる可能性も高いです。しかし無人機であれば、失われるのは機体だけで済みます。
その意味で、30機の喪失は「許容可能な損害」と見ることもできます。しかし、それはMQ-9を安価な消耗品と見なした場合のハナシです。同機は決して安価な兵器ではありません。高性能な機器を搭載するリーパーの価格は1機あたり30億円を超えるとされます。単純計算でも30機の損失は1000億円規模に達し、その代償は決して小さくありません。
無人機である以上、人命損失という観点では確かに許容可能な損害だったと言えるでしょう。しかし航空戦力全体という視点から見れば、その損失は決して軽微ではないのです。「許容はできるが、決して痛くないわけではない」。30機のMQ-9「リーパー」の喪失は、国家間戦争における無人機運用の脆弱性を端的に示していると言えるでしょう。
Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)
1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。





コメント