エコタイヤはどう「エコ」なのか? 実は相反する「低燃費」と「止まること」

低燃費をうたうクルマの「エコタイヤ」ですが、どのような仕組みで低燃費を実現しているのでしょうか。そこには「止まる」という、タイヤの基本機能とのせめぎあいがありました。

「転がり抵抗」が小さいとなぜ低燃費なのか?

 同じようなゴムでも「転がり抵抗」に差がつく理由、それは、生卵とゆで卵の違いに似ています。

 同じ力で卵を回してみると、ゆで卵は生卵よりもたくさん回転します。それは、生卵は中身がユラユラと不安定で、回す力が分散してしまうから。一方ゆで卵は、中身が固いので力が逃げません。それと同じことがタイヤでも発生します。ただし、タイヤのほうは分子レベルでです。

 タイヤのゴムには、剛性を高めるためにカーボンなどが入っています。雨の路面でのグリップ力を高めるシリカという物質も入っています。タイヤを回す振動により、それらの物質がタイヤのなかで、分子レベルでこすり合わされ、熱を発してしまいます。つまり、タイヤを回すはずの力が熱になって逃げてしまうため、その力が弱まるのです。これが「転がり抵抗」となります。

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上は転がり抵抗性能AA、下は同Aのタイヤによる、エンジンをかけずどこまで走る(転がる)かの比較。等級ひとつでこれだけ変わる(画像:ブリヂストン)。

 雨天時のグリップ力を高めるシリカがゴムのなかにたくさんあると、それぞれがぶつかって、タイヤを回す力が逃げてしまいます。そのため、転がり抵抗の小さなタイヤは、シリカの量を増やすことが困難になります。そうすると雨天時のグリップ力が弱まるということになり、それはブレーキ力が弱まることと同義になります。

 これは大問題です。燃費がいくら良くても、雨のときにブレーキの利かないタイヤでは危なくて仕方がありません。そのため燃費とブレーキ力という、相反する要件を、いかに両方とも高くするのか。それがエコタイヤにおけるタイヤメーカーの勝負どころになっているのです。

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