新京成電鉄と京成電鉄の違いって? 陸軍演習線が「新京成線」になるまで

「8」で始まる新京成電鉄の電車

 京成電鉄の子会社として生まれた新京成電鉄。路線は京成津田沼~松戸間の1路線です。特急や快速は走らず普通列車のみですが、実はとても個性的な鉄道です。

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「8」の由来となった、新京成が会社設立以来初めて発注した新型の800形電車。現在はすでに引退(児山 計撮影)。

 現在、新京成電鉄の電車は8000形、8800形、8900形、N800形の4種類が使われています。共通しているのはすべての形式が「8」に絡んでいることです。

 これは路線開業以来、京成電鉄の中古車を使っていた新京成電鉄が、1971(昭和46)年に初めて自社で発注した新車に付いたナンバー、800形にちなんでいます。800形の由来は「安全と反映を願い、末広がりで縁起がよい数字」という理由で付けられたそうです。新京成電鉄にとって「8」は思い入れのある数字というわけです。

新京成電鉄のちょっとした話

 新京成電鉄は他社の大手私鉄と比べて運賃が大変安いのも特徴です。京成津田沼~松戸間を通して乗ると26.5kmで260円。同じ距離を親会社の京成電鉄で利用すると440円です。ただし新京成電鉄を全線乗り通す人よりも、最寄り駅から他線との乗換駅まで利用する人が多いでしょうから、安い運賃の恩恵を受ける人はあまり多くなさそうです。

 ちなみに新京成電鉄の多くの駅ホームでは、壁と一体化した木製のベンチをよく見かけます。かつては都内の路線でも見らましたが、相次ぐ改築や改修などによって姿を消し、現在ではほとんど見かけなくなりました。新京成電鉄では今なお多くの駅で昔ながらの木製ベンチが現役で活躍しています。

【了】

■2018年2月14日16時02分、一部内容を修正しました。

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コメント

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5件のコメント

  1. 「8」の由来が末広がり云々というのは後になって言われたことでしょう。番号が親会社の車とダブらないように、京成のモハ750形と京成生まれで新京成に譲渡されたモハ1100形の間の空いていた番号を与えたという経緯があります。新京成初の自社発注はモハ800形・サハ850形ではなく、その前年の昭和45年に旧型車の部品を流用して東急車輌で造られたモハ250形・サハ550(当初クハ550)形なんですけどね。

  2. 払い下げを受けたとき、京成電鉄は都営浅草線との直通運転という大プロジェクトを抱えていた

    敗戦直後にそんなプロジェクトなどないですよ。
    なぜ別会社にしたかといえば、1953年まで生きていた地方鉄道補助法による国からの補助を受けるためです。したがってこの法が鉄道軌道整備法と代わって新京成が助成対象の鉄道から外れることになった時点で、軌間を1067mmから親会社の1372mmに変更しています。

    • ご指摘ありがとうございます。
      修正いたしました。

  3. タイトルの『陸軍演習線から新京成になるまで』
    それならば中間の経緯すっ飛ばしすぎてるような気が。

    それはそうと新京成の線路幅ですが、
    補助金とは別の説で、
    馬車軌(1372mm)で認可されなかったという話もありますね。
    地方鉄道法で認められずそうしたと。

    あと馬車軌の改軌は補助金切れというより京成乗り入れと公式にはなっていますね。
    その後は標準軌になるものの
    実は京成より早く、
    これは京成の改軌するにあたり実験したという説が有力ですね。

  4. それより京にも成にも行かないのに「新京成でいいや」となった理由が知りたい