長~い「連節バス」、大量輸送の主役となるか 都市部などで導入進む その歴史と現状(写真23枚)

「連節バス=BRT」ではない? 連節バスのこれから

 先述のとおり、日本ではおもに大都市の利用客が多い路線や幹線路線を中心に連節バスが導入されていますが、海外の事例を見ると、ブラジルのクリチバや中国の広州など、BRT(Bus Rapid Transit、バスを基盤とした大量輸送システム)を実現するためのツールのひとつとして連節バスを導入する事例が多いです。

 一方で日本では、「連節バス=BRT」と称する事例を時々見かけますが、特に「rapid」(速達性)という観点で見ると、これが正しいかは大いに疑問であり、BRTのおもな特徴である「バス専用車線」「バス専用道路」「車外運賃徴収」「交差点での待遇」「乗降口の高さ」という観点で考えても程遠いというのが現状です。BRTのおもな特徴をすべて兼ね備えた路線の登場と、BRTを実現するためのツールとしての連節バスの登場が、今後期待されるところです。

 また、最近では路線バスの運転手不足が深刻になっており、1台で多くの乗客を運べる連節バスを普及させることで、その解決に少しでもつなげられないかという議論も出始めています。乗客が多く連節バスの運行に適した区間に限られますが、運行の無駄を省き効率化する手段として連節バスを活用するというケースは、もしかすると今後増える可能性があります。

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ブラジルのクリチバでは2連節車体のバスが走っている(画像:tupungato/123RF)。
JR東日本の大船渡線BRT、盛駅。連節バスは走っていないが、かつての線路がバス専用道路となっている(中島洋平撮影)。
西日本鉄道のスカニア/ボルグレン製連節バス車内。中扉、後扉にICカードリーダーや整理券発券機が備わる(須田浩司撮影)。

 許認可の問題など導入のハードルが高い連節バスではありますが、大量輸送手段として自治体や事業者などが注目しているのもまた事実です。純国産連節バスのデビューも近づいており、運行の環境が今以上に整えば、街中で多くの連節バスが行き交う光景が見られるのも、そう遠くない時期に訪れるかもしれません。

【了】

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コメント

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9件のコメント

  1. 運賃計算係のパートを載せ、自動運転+バス専用道+連接バスなら路面電車よりも遥かに低コストな公共交通機関ができそうですね

    • 自動運転なら、通常バスを2倍の頻度で走らせてもらった方が乗客は待たないで済む。一人の運転手で大勢運べるところに連節バスの意味があると思う。

  2. 当然にドライバーさんの給与もそれなりなんだよね?
    また車両枠のアホな緩和を乱発して一人の負担増やして、一人二役の一人もそのうちに逃げ出すぞ

  3. バス停の延伸工事もほぼ完了し、近々連接バス運行開始する予定です。

    が、未だに排ガス規制がなく古いディーゼルエンジンから窒素酸化物撒き散らしながら満員のバスで坂を登ってるのを見ると、倍の人数乗せてどんな速度になるのやら…

  4. 元万博バスの流転の人生に少しホロッとした。
    千葉と神奈川のは知ってたが、意外に走ってて驚いた。

  5. 必要性ある路線への導入は好ましくも、最近では「客寄せ」の為への導入も見られて政策が安易すぎる。
    横浜市もみなとみらい地区に新規導入を計画(決定)していますが連接バスを走らせる程の需要もなく、既に営業している「あかいくつ号」で充分に足りている。にもかかわらず連接バス導入って???理解出来ない。ひと昔前に「二階建てバス」が流行って各地に導入されるも飽きられてしまい殆どが全滅していますよね? ムダな資金・税金の活用方法だよ!

  6. 人員不足を物の巨大化で補う頭の程度が信じられん

  7. 『「連節バス」、大量輸送の主役となるか 都市部などで導入進む』とありますが、現実的には「都市部でしか導入できない」でしょう。
    後ろの写真が少ないですが、そのうちの1枚、次の文字があります。
    「全長約12m 追い越し注意」
    普通のバスですらバス停での追い越しが大変なのに、その約倍のバスとなったらさらに追い抜きが大変でしょう。
    千葉市に住んでいたことがあるのでわかりますが、この路線は片側2車線です。つまり、追い抜き時対向車の心配がいらない。

  8. これからの時代はLRTよりBRT。鉄道よりも車両も設備も安価だし大量輸送もできる。
    無人運転ももう夢ではない時代になってきた。ますます普及してほしい。