「都心ターミナルから観光地へ」はもう古い? 東京郊外発の高速バスが増えているワケ

高速バスは、新宿や東京駅など都心のターミナル駅周辺から乗車するケースがほとんどでした。しかし近年、特に首都圏では郊外の住宅地エリアにある鉄道駅から観光地へ直行する路線が増えています。どのような背景があるのでしょうか。

「調布~TDR」「日吉~富士五湖」… 郊外発着の路線充実

 JR新宿駅の真上に、新宿高速バスターミナル(通称「バスタ新宿」)が開業してから2年が経ちました。新宿地区19カ所に分散していた高速バスの停留所が集約され、わかりやすくなったと好評です。東京ではこのほか、東京駅(東京駅JR高速バスターミナル)、渋谷(渋谷マークシティ高速バス乗り場)など都心のターミナル駅に隣接して高速バスターミナルが設置されているほか名古屋(名鉄バスセンターなど)、大阪(阪急三番街バスターミナルなど)なども同様です。

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東急東横線 日吉駅東口を発車した東急バスの河口湖行き(成定竜一撮影)。

 一方、近年は首都圏において、都心のバスターミナルではなく郊外の鉄道駅前から観光地に直行する高速バス路線も増えています。たとえば、東京ディズニーリゾートへの高速バスは東京駅、新宿、池袋や横浜といったターミナル駅に加え、たまプラーザ、調布、武蔵浦和、川越、大宮、つくば、土浦といった郊外の駅からも運行されています。

 御殿場のアウトレットモールへも、新宿や池袋、品川、横浜などのほか、東急東横線と横浜市営地下鉄の日吉から直通(港北ニュータウンのセンター北や、たまプラーザ、市が尾も経由)の高速バスが運行されています。富士五湖地区(富士急ハイランドや河口湖など)へは、主要ターミナル駅(新宿、渋谷、東京駅、横浜など)に加え、藤沢、辻堂、日吉、センター北(横浜市営地下鉄)、二子玉川、たまプラーザ、市が尾、町田、本厚木、橋本、川越、大宮、津田沼、西船橋でも乗車できる充実ぶりです。

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コメント

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7件のコメント

  1. 増えた訳が明確に書いてないんだが…

    東京近郊の場合は都市部の従来発着地が飽和(バス受け入れ困難)してる上、
    変なとこから発着させても利用客となる人口が多いからこそ出来るんだろうね。

    例えば名古屋(愛知県)ならJRターミナルと名鉄BCと栄発着の
    どれかでないと需要が厳しい。
    空港発着に設定しても厳しく消えた路線も多く。
    そしてバス発着場所は幾らでも作れるし。
    名古屋駅ささしまライブなんて無理やりな例もあるけど。

    大阪や京都も似たような状態。
    結局は梅田、京都駅など主要地を飛ばす路線で採算にのせるのが難しいところばかり。

  2. こんなにある、と言いつつ京浜東北線よりも東側は3箇所だけか。ちょっと寂しいな。

  3. 高速のインターやランプから至近にある駅は格好の乗り場になる。
    例えば田園都市線の市が尾駅。
    横浜青葉インターの真横と言ってよい場所であり、現に東京駅~河口湖の系統での使用実績もある。更に2年後には首都高横浜北西環状線が延びてくるので、新百合ヶ丘・たまプラーザ~羽田空港の系統も経由することになるだろう。

    話が逸れたが、バス会社は今後、こういった駅に注目することだろう。

  4. おけいはん、阪急京都線沿線だと減ってるんだよな(ウィラーさんとか「観光バス型高速バス」から移行した路線は知らない)。まぁ名神高速道路上の「名神深草」とか「名神高槻」とか京都縦貫道の「高速長岡京」、第二京阪の「高速京田辺」があるから見過ごしがちだけど(なお、そういった沿線上に拠点を持つ京阪バスが長距離高速バスから京都駅=松井山手=交野=なんば(=USJ)の短~中距離高速バスへ移行してる点もあるんだけど)。

  5. 各都市のターミナル駅間の路線でさえも、路線によっては減便や廃止・他路線との統合して経由便化も多々見受けられるのに、そんな地方駅からの長距離高速バスは需要ゼロではある筈ないものの、一定以上の利用客が居るのかが今でも疑問に思う。
    加えて・・・高速道バス停も最寄り駅まで徒歩10分程度でも利用者があるのも意外。長距離バスは荷物多めの場合も多々であり、荷物持っての徒歩移動はチョットしんどいでしょ?せめて一般道へ出たところに一般路線バス停があれば選択肢にもなり得るが!
    鉄道と路線バス相互の乗り換えは当然ながら、更なる需要開拓・利便性向上の為にも高速道上バス停との相互乗り換えはもっと密に連携させるべきだと思うのだが。

  6. 関東、特に埼玉と千葉の西部は東京(江戸)の延長線上として発展した歴史上どうしても東京への集中と相互間の連携需要のなさが生じる。
    現在千葉~大宮間を高速バスが運行しているがかつてつくば学園都市と大宮を、甲府と大宮を結んだ路線がどんな結末だったのかはわかっているだろう。
    つまり大宮を起点として都市間を結んでも精々上尾や岩槻の住民が来るだけで(川越はまず来ない)、
    新幹線との接続メリットを訴えたところで新幹線の客は東京で高速バスに乗り換える。
    埼玉の事業者が運行する関西方面の夜行高速バスは免許関係上大宮起点だが東京に寄る事で採算を取っている。
    新免大手が埼玉に集中している関係もあり東京(主にバスタ新宿)「始発」が出来ない関係上大宮始発としたものだが
    元々西武がこの方式を取っているという事も大きい。
    池袋なりに乗り入れできずに赤羽までだった国際興業の関西方面が廃止になったように東京で採算を取るという考えは今後も変わらないだろうと思われる。
    但し空港連絡は空港に行くという明確な目的があるので東京をすっ飛ばしても需要さえあれば問題ないと思われる。

  7. 記事と逆の視点で考えるけど、利用者が渋滞から逃げるためにある高速道路上のバス停。

    八潮はどうかしらないけど、用賀は渋滞から逃げるには遅すぎなので、あまり評価しないで欲しい。
    (正しくない場所に駐車が居るとは入れないのも、用賀のダメな点)
    かといって、東名江田は駅まで近いような遠いような位置。徒歩10分は不動産屋の広告みたいな時間基準。

    無理難題言うと、田園都市線の江田の駅って、東名高速の真下にあるからもったいないと思う。
    大荷物があってもエレベータ1つでいけそうな位置関係なのに。