「ETC2.0」つけるべき? そのメリットとは 着実に近づく「従来型が使えなくなる日」

高速道路料金も割引

 ETC2.0に特化した高速道路料金の優遇措置も行われています。

・圏央道の料金2割引
 2016年4月から実施。ETC2.0搭載車は、圏央道(新湘南バイパスを含む)を約2割引きで利用できます。たとえば平日の日中に神奈川県の海老名IC(神奈川県海老名市)から埼玉県の白岡菖蒲IC(埼玉県久喜市)まで圏央道を利用した場合の料金は、通常で3070円、ETC利用で2850円、ETC2.0利用で2590円です。

 このサービスは都心を避けた圏央道への迂回を促進する目的などから実施されているものですが、ETC2.0では走行経路の把握が可能になるため、将来的には渋滞を避けたルートを通行した際に利用料金を割引く制度も予定されています。

・高速道路からの一時退出を可能に
 指定のICから高速道路を降りて指定の「道の駅」に立ち寄り、1時間以内に高速道路へ再進入した場合、降りなかったのと同じ料金になります。ETC2.0搭載車を対象に全国3か所から始まり、2018年7月現在では岩手県から長崎県まで、20か所で実施されています。

 たとえば、関越道 高崎玉村スマートICと「道の駅 玉村宿」というように、適用されるICと休憩施設が決まっていますが(施設内のETC2.0送受信機を通過する必要がある)、もちろん時間内であれば、周辺のガソリンスタンドや商業施設を利用することも可能です。

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ETC2.0で提供される運転支援情報の例(画像:国土交通省)。

 2017年から2018年3月にかけては、NEXCO東日本および中日本、首都高速道路などが主導し、一般駐車場で「ネットワーク型ETC」を活用した利用料金決済の実証実験も行っています。この「ネットワーク型ETC」は施設側が整備するもので、実験では従来のETC搭載車も利用の対象とされていましたが、ETC2.0の場合はさらに、車載器の発話機能で駐車場内の空いている駐車マスを案内したり、車両の登録情報から駐車場進入時に車高オーバーであることを知らせたりすることも可能になります。

 ETCの普及団体であるITSサービス高度化機構(東京都千代田区)によると、将来的な展開として、このような駐車場やガソリンスタンド、ドライブスルー店舗での料金決済サービス、フェリー乗船の簡素化などを例示しています。

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コメント

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6件のコメント

  1. 自分等が出した船に乗らない者は遭難させるわけか?

  2. ETC2.0もセキュリティー対応に新旧とあるという話は事実上ETC2.0も使用不可だろう。
    名前を3.0にするか2.1にするかしないと混乱がさらなる混乱を招きそうなんだが。

  3. セキュリティの問題なら規格を考えた奴の責任だろ。なんで消費者が車載器を買い換えないといけないのか。
    ETC2.0でやろうとしていることのうち値引きについては、高速道路上のETCアンテナを増やすこととシステム改修で対応可能。

    窓ガラスにシールを貼るだけの台湾ETCシステムが羨ましい。

  4. 今となっては別にETC2.0でなくてもできるサービスが多いんですよね…。街中の料金精算は現行ETC導入時点で言ってたことですし。
    数百キロ先の渋滞情報も今のカーナビならインターネット連携で取得できますし(もちろんスマホアプリでも)、道の駅乗り降り自由と言われてもそれが買い換え動機にはさほどならないでしょうし。
    (考え方が20年前から変わってない上にセコい)

    鉄道の途中下車のように「ETC2.0なら経路特定できるので同一方向なら走行距離通算で自由に乗り降りできます」とかなればいいんですけど無理だろうなぁ。

  5. こんなの心配しなくても車なんて数年もすれば買い換えるものなのだから、買い換えたらその車にはその時点の最新のが付いてるじゃない。
    ETCの出始めでも有るまいし、デフォルトで着いてない車なんかあるのか?

  6. …ETC2.0って、バイクのメリットがすごく小さそう。四輪以外のことも、もう少し考えてほしい。