F-35の墜落がさほど問題にならない理由 無事故記録途絶 F-22との比較に見るその意義

米海兵隊のF-35が墜落し、その無事故記録が途絶えてしまいましたが、むしろいままで落ちていなかったほうが、こうした航空機の常識から逸脱していたといえるでしょう。F-22のケースと比較しつつ、その意味を解説します。

F-35はなぜこれほど落ちなかったのか、そのひとつのワケ

 かつてF-22は、パイロットが意識障害に陥るという原因不明の欠陥に悩まされ、それに起因する墜落も発生。2011(平成23)年にはアメリカ空軍の歴史上最長となる、4か月半にも及ぶ飛行停止処分が下されました。

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空中給油を受けるF-22(画像:アメリカ空軍)。

 これは新開発されF-22で初めて実用化された「フルカバー対Gスーツ」が、呼吸を阻害したものであると後に判明しました。欠陥は修正され飛行停止は解除されています。同じフルカバー対GスーツはF-35のパイロットも使用しており、もしF-22がこれを使用していなかった場合、F-35において同様の墜落事故を含む問題が発生していたかもしれません。F-35の極めて優秀な事故率の低さは、これまで無数に積み上げてきた欠陥の修正と運用ノウハウの上に成り立っていると言えます。

 F-35の開発はスケジュール遅延との闘いでした。従来の戦闘機では開発難航といえば墜落など事故や機体上の欠陥に起因するものが多くを占めていましたが、現代戦闘機は乗りものとしてはほぼ完成されきっており、むしろそうしたハードウェア上の問題よりも、高機能なセンサーの制御や情報処理するためのソフトウェア開発に手間がかかるようになってしまっています。

 今回の事故や開発遅延の事実をもって、F-35を欠陥機であるとみなすことはできません。

【了】

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