高速道路の渋滞、大きく迂回したほうが早いことも 「広域迂回」判断のポイント

仙台方面から東京方面へは東北道? 常磐道?

――このように経路の選択次第で所要時間が短縮された例は、ほかにありますでしょうか?

 たとえば仙台方面から東京方面へ向かうには、東北道ルートと常磐道ルートの2通りがありますが、常磐道が狙い目です。2017年の年始、1月2日の午前9時に仙台エリアを出発したクルマで比較すると、仙台南IC付近から東北道を川口JCTまで(総距離324km)走行した所要時間が274分だったのに対し、仙台若林JCT付近から仙台東部道路、常磐道を三郷JCTまで走行した場合(総距離311km)は208分と、常磐道ルートの方が1時間以上早く外環道まで到着できたケースがありました。

 また冬期の東北道は雪による影響を受けやすく、この日も雪による速度規制がかかっていました。常磐道は、降雪も渋滞も比較的少ないといえます。

――迂回すべきかを判断するポイントはあるでしょうか?

 交通状況は刻一刻と変化するため、最新の交通情報を入手することがポイントです。休憩施設の情報ターミナルや高速道路本線の情報板で最新情報をチェックしましょう。また、経路を判断する際には、渋滞の「要因」も重要な情報です。事故の影響で渋滞している場合には通過にいっそう時間を要するケースが多いため、道路情報板などでは交通集中による「渋滞」と、「事故渋滞」を区別して表示するようにしています。

 首都圏の高速道路にある道路情報板では、渋滞が増加傾向の場合、赤い三角マークを表示しています(一部、表示されない情報板もある)。これらの情報を経路選択の判断に役立てていただき、この年末年始を「最適ルートで快適ドライブ」していただければ幸いです。

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渋滞が増加傾向にあるときは所要時間表示の横に赤い三角マークが表示される。また、事故による渋滞の場合は「事故渋滞」と表記される(画像:NEXCO東日本)。

 2018年6月には外環道の千葉区間(三郷南IC~高谷JCT)も開通し、経路の選択肢もさらに広がっています。NEXCO東日本関東支社の外山さんは、今回の「高崎IC~川口JCT」や「仙台エリア~東京エリア」のような事例を、ほかのルートでも検証していきたいそうです。

 ちなみに、渋滞にはそれぞれの区間でピークとなる時間帯があり、NEXCO東日本はその時間帯を避けて利用することも呼び掛けています。たとえば2019年1月2日(水)における東北道上り 栃木IC~久喜IC間(47.2km)の場合、渋滞ピークの17時から18時には通過に約1時間20分を要しますが、栃木ICを14時以前または21時以降に通過した場合は約30分と予測されています。

【了】

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