昔懐かし2・3段ベッドの「ドミトリー寝台車」、「きっぷのルール」からも消滅へ

通路とベッドを隔てる壁もドアもない、ドミトリーホテルのような「開放式」の寝台車。日本ではすでに運転を終了していますが、JR共通の「きっぷのルール」にはいまも存在。しかし、そのルールもあとわずかでなくなります。

「復活」の可能性はある?

 ただ、旅客営業規則では「はまなす」廃止後も開放式寝台の料金設定が残りました。これは臨時列車や団体列車などで、開放式の寝台車を使うことがあったためです。実際、JR東日本は国鉄時代に製造された583系特急形寝台電車(3段ベッドの開放式寝台)を使い、団体列車として何度か運転しています。

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開放式寝台は「はまなす」を最後に定期列車から姿を消した(2004年3月、草町義和撮影)。

 しかし、583系も2017年には老朽化のため運行を終了。新しい開放式寝台車を導入する計画もなく、JRはこれを機に旅客営業規則から開放式の寝台料金に関する条文をすべて削除するといえます。

 2019年2月の時点では、毎日運転されている寝台列車は寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」(東京~高松・出雲市)だけ。寝台は全て個室で、開放式はありません。開放式寝台に近いカーペット敷きの「ノビノビ座席」はありますが、これは普通車指定席の扱いです。

 一方、豪華寝台列車の「ななつ星in九州」「TRAIN SUITE 四季島(トランスイートしきしま)」「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(トワイライトエクスプレスみずかぜ)」がデビューした際は、JRが旅客営業規則を改正し、各列車ごとの個室寝台料金が新たに設定されています。開放式寝台を再び導入する場合も、旅客営業規則を改正して寝台料金を再び設定すればいいわけですから、ルール上なくなったからといって復活の芽がないわけではありません。

 しかし、個室のほうが人気が高いことや、そもそも寝台列車自体が衰退して毎日運転の列車が「サンライズ瀬戸・出雲」だけになっていることを考えると、開放式寝台が復活する可能性は極めて低いといえるでしょう。

 ちなみに、JR西日本が2020年春からの運行を計画している「新たな長距離列車」(6両編成)は、客車2段式のB寝台に近い構造の「フルフラットシート」が2号車と5号車に設けられます。ただし、2018年5月にJR西日本が発表した車内デザインによると、2号車と5号車は「普通車」とされており、きっぷのルール上は「サンライズ」の「ノビノビ座席」と同様、寝台料金は適用されない見込みです。

【了】

【写真】多種多彩! 懐かしの「開放式寝台」

Writer:

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

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