京急値下げに東京モノレール対抗 激化する羽田空港アクセス競争、その勝者は?

国際線の発着枠拡大など、ますますその役割が大きくなる羽田空港。そこへアクセスする鉄道各社の競争は激しさを増しています。京急電鉄と東京モノレールがしのぎを削るなか、JR東日本や東急電鉄はそれぞれ新線を構想しています。

JR東日本と東急の新線構想、いつ実現?

 東京モノレールに代わって、京急と新たなライバル関係を築くことになりそうなのが、休止中の貨物線と既存の線路、新設トンネルを組み合わせ、東京駅、新宿駅、新木場駅の各方面から羽田空港まで直通列車を走らせるJR東日本の「羽田空港アクセス線」です。

 JR東日本は2019年2月、東京駅に接続する「東山手ルート」の環境アセスメントの準備に着手したと発表しており、最短で2029年ごろの開業に向けて、着工に向けた準備を進めています。

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「新空港線(蒲蒲線)」の構想図。東急多摩川線を経由し、東横線・地下鉄副都心線との直通運転が考えられている(画像:大田区)。

 そしてもうひとつ、羽田空港アクセスへの参入を目論んでいるのが、大田区と東急電鉄が推進する「新空港線(蒲蒲線)」です。東急多摩川線の矢口渡駅(東京都大田区)から分岐して地下にもぐり、蒲田駅地下、京急蒲田駅地下を経由し、京急空港線の大鳥居駅(同)まで接続する鉄道路線の構想です。

 この連絡線が整備されると、東急多摩川線を経由して東横線、東京メトロ副都心線との直通運転が可能になり、東京西部から池袋、新宿、渋谷を経由して、羽田空港まで乗り換えなしで直結する新たなネットワークが誕生するというわけです。

 ただ、東急と京急で軌間(レール幅)が異なるため、異なる軌間を直通運転できるフリーゲージトレインや、3本のレールで両軌間の車両を走れるようにする三線軌条などの対応が必要になります。そのため大田区は第一段階として、京急蒲田駅直下まで路線を建設して、京急蒲田駅で京急空港線に乗り変える形の整備を検討しています。その場合でも1200億円以上にもなる整備費の財源など課題も多く、実現するとしても2030年代半ば以降のことになりそうです。

 ますます激化が予想される羽田アクセス競争から目が離せません。

【了】

【地図】JR東日本の「羽田空港アクセス線」ルート3案

Writer:

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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