何が「スーパー」だったのか ほぼ全国を走るも激減したJR特急名 一時は新幹線にも

新幹線にも期間限定の「スーパー」登場 理由は?

 ただし例外的に2013(平成25)年、1年間限定で「スーパー」を冠した列車が新幹線に設定されました。それは「スーパーこまち」。当時、秋田新幹線で新型車両E6系が営業運転を開始し、従来のE3系で運用される「こまち」と区別するため、新たに「スーパーこまち」と命名されたのです。

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秋田新幹線の「スーパーこまち」は料金区分を明確にするため、1年間だけ命名された(2013年5月、児山 計撮影)。

 また、E6系を使った「スーパーこまち」はE3系の「こまち」よりも東北新幹線内の特急料金が高く設定されたため、旅客案内上も両者を区別する必要がありました。しかしE3系は約1年後にも、E6系に置き換わることが決まっていました。新しい列車名を設定してまで、これまで親しまれた「こまち」の名前を変えるのは得策でないということで、期間限定で「スーパー」を付けられたというのが理由です。

「スーパー」という表現は、速度にせよ設備にせよ利用者に「これまでよりもすごい」というイメージを与えやすいため、JR発足後の新車投入時には積極的に使われました。しかし、国鉄型の車両が引退してJRの車両に統一されると、「スーパー」で差別化する理由がなくなります。

 JR北海道では、国鉄時代から使用されてきたキハ183系や781系といった車両が淘汰され、「スーパー」で区分する意味がなくなったとして、2020年3月のダイヤ改正までに「スーパー北斗」「スーパーおおぞら」「スーパーカムイ」などの列車名から「スーパー」が外れました。

 同じ理由でJR東日本の「スーパーあずさ」も、新型車両のE353系に車両を統一したことで「あずさ」と区分の必要がなくなり、以降「あずさ」に統一されています。

【写真】珍しい「私鉄の」スーパー特急 走っている鉄道会社は…

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コメント

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13件のコメント

  1. かつて、地元を走る路線に、「スーパードラゴン」という快速列車も走ってました!

  2. 名鉄「パノラマスーパー」

  3. 今や「スーパー」どころか「特急」も半分は「急行」にした方がいいくらい、「急行」が無いのに「特急(特別急行)」があるのは不自然。少なくとも、とかち、すずらん、あかぎ、ときわ、かいじ、このあたりは急行でいいような。いやこの際いっそ全部種別を棚卸しして急行にしてしまってもいいくらい。

    • 国鉄の金儲けのため
      急行をとにかく特急にした(急行料金より
      特急料金が高い)
      子供の頃は
      岡山~鳥取は急行(砂丘)でした

    • 料金そのまま急行を標榜されては元も子もない

  4. JR九州はスーパーではなく、ハイパーだったのかな?

    • それは783系だけだ。

  5. 「スーパーはこね」はちと意味が違う。
    だってもともとそっちが本家の「はこね」だったんだから。

    それが箱根観光客限定特急みたいな運用ではままならなくなり途中駅にも停車して「あしがら」として運転される列車が増えてしまったことから始まって、最終的にはもともと「はこね」と名乗っていた列車を「スーパーはこね」に改称する事態になったわけなので。

    「スーパーくろしお」もそれに近いものがあるな。
    あれも急行「きのくに」から格上げされた停車駅の多いタイプに侵食されて、新大阪乗り入れを機にもともとの「くろしお」だった列車にパノラマグリーン車をつないで「スーパー」を名乗らせた感じだ。

    • 小田急の場合
      列車名の「はこね」より
      箱根に行くのは
      「ロマンスカー」のほうが有名?

  6. 列車名だけでなく、商品名や店名など、あらゆるシーンでも「スーパー」は頻繁に使われていた。ブームだったように思う。
    今は何気にブームなのが「プレミアム」だろうか。

    • たしかに、それはありかも。何を基準に「プレミアム」なのか不明なのが、結構多数ありますから。

  7. 「スーパーいなば」も智頭急行を経由して
    岡山~鳥取だけど
    車両の
    キハ187系ほJR西日本所属

    京都~倉吉
    「スーパーはくと」
    同じく智頭急行を走るけど
    HOT7000系は「智頭急行」所属
    しかも、智頭急行では
    制御振り子で130キロ❗
    だから第三セクター所属の「スーパー」になる

  8. 了様、児山様ありがとうございます。自分の地元九州では、列車名ではないが、高速バスで「スーパーノンストップ」たる種別が現在も存在します。この種別は従来のノンストップ系統よりもさらにノンストップ区間を拡大して停車数を少なくしたものではありますが、後に従来のノンストップ系統が停車数を増やしたり、従来のノンストップ系統そのものが系統廃止になってしまうなどで、事実上の種別名の「スーパーノンストップ」が、ノンストップ系統となり、「スーパー」の名称はその名残りで現在も残っています。でも将来的には「スーパー」の意味もあまりなくなる事から消滅し、単に「ノンストップ」になるかもしれません。