速く移動するだけが鉄道じゃない 青春18きっぷも活用した「鈍行列車の旅」のすすめ

五能線での出会い 車掌さんとおばあさん

 また、ローカル線では通学する高校生をはじめ、地元の人たちと車内という一つの空間で過ごせる点も見逃せません。旅人は皆さんのお邪魔にならないように隅で小さくなりつつ、聴き慣れないイントネーションを耳にしながら、人様の日常生活に紛れ込んだことを感じています。

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五能線を走るキハ40形ディーゼルカー(2015年2月、蜂谷あす美撮影)。

 こういった鈍行列車旅のなかで一番忘れられないのは、2015年2月の平日に乗った五能線でした。秋田県の日本海側を通り青森県内までを結ぶ路線です。乗客は自分のみで、車掌さんから「どこから来たのか?」と尋ねられたことを覚えています。普段は観光列車の快速「リゾートしらかみ」に乗務されている方らしく、沿線案内もお手の物。運転士さんに掛けあって景色の良い場所で徐行運転、さらには記念写真まで撮ってもらいました。さらに、途中駅から一人のおばあさんが乗車。車掌さんとは顔なじみなのでしょう、「お母さん」と呼び掛けていました。

「あのお客さん、関東から来たんだって。一緒に連れて行ってあげてよ」

 それからほどなくして、私はおばあさんと途中の艫作(へなし)駅で下車し、不老ふ死温泉に向かっていました。もちろん、こういった出会いは期待して起こるものではありませんが、鈍行列車の場合は、特急列車や新幹線に比べると「何が起こるか分からない」楽しさが多いと思います。

【写真】「青春18きっぷ」で乗れるハイブリッド車両を使った観光列車

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