東京の災害時「歩いて帰りやすい鉄道沿線」とは? 街道に沿う・沿わないの歴史的違い
災害が発生し、東京都心の駅から自宅最寄り駅まで徒歩での帰宅を余儀なくされた時、あなたは単純に大通りを進めば帰れるでしょうか。利用している鉄道路線が大通りと並行していれば迷わずに済みそうですが、全てがそうとも限りません。
大通りと並行する路線、そうでない路線
2021年10月7日(木)に発生した千葉県北西部を震源とする地震。最大震度は5強でしたが、いくつもの鉄道路線で運転見合わせが発生しました。首都圏では震度6強クラスの大地震がいつ起きてもおかしくないとされています。その場合、交通網の復旧まで日数がかかり、都心へ出かけていた人など、歩いての帰宅を余儀なくされます。
都心から郊外へと延びる鉄道路線を見ると、大きな道路に並行している路線と、道路とは無関係に伸びている路線とが存在します。前者の路線であれば、近くの大通りをひたすら歩いて行けば自宅にたどりつけるでしょう。歩いている途中でも、なじみのある駅名のついた交差点名を目にした時などは、自分がどのあたりにいるかが分かり、心強く感じるかもしれません。
大通りには、コンビニやガソリンスタンド、ファミレスなども点在しています。災害時にはそこが帰宅支援ステーションとなって、水道水やトイレ、災害情報などを提供してくれます。しかし、路線が大通りに沿っていない場合は、そうした店がなかなか見つからないケースも考えられます。
まずは現実に歩ける距離を念頭に、都心のターミナル駅から2、30km圏内を対象に分類してみましょう。
【A】大きな通りが並行している代表的路線
・京急本線、東急田園都市線、京王線
上記3路線は特に、すぐ近くに大きな通りがあります。
・JR東海道線、JR総武線、東武東上線、東武スカイツリーライン、京成押上線、京王井の頭線
これらの路線は、やや離れている区間があるとしても、おおむね大通りと並行しています。
一方、並行している大通りがほとんどない路線としては以下のものが挙げられます。東急の路線が多いのが印象的です。
【B】並行する大きな通りがない代表的路線
・小田急小田原線、東急東横線、東急目黒線、東急大井町線
具体的な例として、新宿駅をターミナルとする京王線(A)と小田急小田原線(B)を比較してみましょう。
平行道路がないと言いますが、逆に一本道があり歩行者が集中してしまうと危険じゃないですか?平行道路がなければ目的地毎に歩行者が分かれる可能性があると思います。
本文中の小田急に関しても環七以西なら環七もしくは淡島通りから高架化した際の線路側道を伝って成城まで行けますし、以西狛江からは津久井街道と分散されますね。(もちろん異常時なのでこのようにうまく行くとは限りませんが)
川を渡る橋の多さも重要です。
江戸川や荒川など、旅客流動の割に橋が少ない所を渡る場合、道が少なく歩行者が殺到し歩道が渋滞する可能性が高くなります。
現に江戸川区はそれを懸念して江戸川上に橋を追加するべく動いている状態です。