明治の汽笛再び! 豊洲に安住した流浪の機関車の正体 136年目で“歴史的な石の台座”に鎮座
ナンバープレートを忠実に復元!
同校は、日本初の鉄道開業から50周年の記念事業として1922(大正11)年に開校した東京鉄道中学が前身で、板橋から新豊洲の現在地へ移転し、2022年で100周年を迎えました。鉄道にゆかりのある学校の記念事業に相応しく、豊洲地域へ貢献し愛される存在として、産業遺産である蒸気機関車を設置しようと学校内で動き出したのです。
蒸気機関車の選定は難航しましたが、卒業生の縁によって西武鉄道4号機に白羽の矢が立ち、同校の熱意に応える形で西武鉄道が譲渡に踏み切りました。
譲渡にあたり、なるべく製造時に近い姿へ復原すべく、横瀬車両管理所内で修復作業を行いました。その際に同校の鉄道研究部員が塗装作業に挑戦することもあり、学校記念事業ならではの作業となりました。さらに機関車の番号は鉄道院時代の403号へ戻すこととなり、鉄道院で制定されていたナンバープレート「403 TYPE400」を忠実に復元。製造銘板とともに再現し、機関室(キャブ)内には紛失していた圧力計と水位計を設置しました。塗色も当時を再現したとのことです。
また傷みの激しい部分は撤去され、ステンレス板を張り付けるといった大きな手術も施され、4号から403号となった機関車は新製時のような輝きを取り戻し、新豊洲で除幕される瞬間を待ちます。
安住の地となる同校の公開空地は、豊洲6丁目第二公園にも隣接しています。式では関連イベント「ようこそSL祭り」が開催され、親子連れが除幕の瞬間を今かと待ち構えている中、司会者の掛け声に合わせ出席者が手綱を引きました。幕が引かれるや「403」のナンバープレートが輝きながら現れ、「ポー!ポ、ポー!」と少しかすれた甲高い汽笛二声が公園に響き渡ります。
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