「はつかり」ならぬ“がっかり”は最初だけ? 初の特急形気動車キハ80系 開発も一苦労
ジョイフルトレインへ変貌した車両も
キハ80系は1967(昭和42)年までに計384両が造られ、四国(「リゾートライナー」に改造された車両は乗り入れていますが)を除く北海道から九州までの全国を走りました。ほぼ東海道・山陽本線のみだった特急列車を身近なものとしたのです。しかし1968(昭和43)年、大出力エンジンのキハ181系、1979(昭和54)年にキハ183系が登場し、キハ80系は活躍の場面を狭めていきます。
ただ1986(昭和61)年、北海道で展望席を備えたジョイフルトレイン「フラノエクスプレス」に改造されたことを皮切りに、「トマムサホロエクスプレス」(1987年/JR北海道)、「リゾートライナー」(1988年/JR東海)へと改造されました。
最後の特急運用は紀勢本線などを走った「南紀」で、1992(平成4)年まで使われました。その後、臨時運用で1995(平成7)年まで運行され、2009(平成21)年に廃車されました。
2022年現在は、「三笠鉄道記念館」(北海道三笠市)に6両編成で保存されているほか、キハ82形とキシ80形が「小樽市総合博物館」に保存。また、先頭車両はキハ81形が「京都鉄道博物館」(京都市下京区)、キハ82形が「リニア・鉄道館」(名古屋市港区)と「北海道鉄道技術館」(札幌市東区)、「青函連絡船メモリアルシップ 八甲田丸」(青森県青森市)にそれぞれ保存されています。なお「三笠鉄道記念館」では、キシ80形食堂車を活用した食堂施設もあります。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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