【空から撮った鉄道】富士急行線は勾配を登り続け、富士山駅でスイッチバックする
“空撮し続ける”というと仰々しいプロジェクトに思えますが、私には毎年実施するメインの空撮の行き帰りで撮り続けている鉄道がいくつかあります。そのひとつ、富士山麓電氣鐵道富士急行線を紹介します。
ちょっとした登山鉄道?
私はいろいろな鉄道を空撮していますが、山間部の鉄道空撮を始めたのは2008(平成20)年からです。それから本格的に撮ろうと、業務の撮影以外にプランを付け足すなどして撮ってきました。今回は過去数回にわたって空撮した富士急行線の様子をお伝えします。
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富士急行線はJR中央本線の大月駅を起点にして、富士山を目指して南下します。会社名は2022年に富士急行から、開業当初の社名である富士山麓電氣鐵道に変わり、新たなスタートを切りました。
直流電化の単線は桂川に沿い、途中でリニア実験線の高架橋と交差し、富士山麓に広がる富士吉田市内の富士山駅でスイッチバック。電車は方向を変えて終点の河口湖駅へと至ります。富士山駅は2011(平成23)年に富士登山の玄関口らしい名前をと、富士吉田駅から改称しました。
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Writer: 吉永陽一(写真作家)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。
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