「首都高とKK線“止めてみた”」そしたら大盛況! 空のホコ天「銀座スカイウォーク」出現 新幹線がめっちゃ近い!

道路標識の下で寝そべる人々 銀座のど真ん中に出現した珍景

 道路が線路から離れると、いよいよ銀座のど真ん中に突入です。多くの人が行き交う数寄屋橋交差点を見下ろし、その先にある“地価日本一”の銀座四丁目交差点を望むことができました。

 ここから銀座一丁目付近にかけては今回、「再生モデルエリア」として、特設ステージやイベントスペース、売店、次世代モビリティの試乗コーナーなどがKK線上に設けられました。

 人工芝マットの上にはサマーベッドも並べられ、人々はそこに寝転んだり、団らんしたりと思い思いに過ごしていました。ただ、そこは案内標識の真下で、遠くには料金所が見えるという、何とも珍妙な光景。KK線の再生後の姿をイメージできるスポットでもありました。

 特設ステージでは小池百合子都知事とゲストによるトークセッションも開催。今回の緑道化のモデルである、ニューヨークの「ハイライン」とその効果について話し合われました。ハイラインは、廃止された都心の高架鉄道を緑道化したもので、いまや同地を代表する観光スポットになっているとか。知事も直接視察をしたことがあるそうです。

 都はこのKK線跡地を、都会の貴重な緑道空間とし、歩くだけでなくイベントやアートを楽しんだりする場にしたいと考えています。

「ハイラインは、“再開発”というより“再活性化”がテーマでした。ニューヨークはコンクリートジャングルと呼ばれ、人々の貧富の差も拡大したことで治安も悪化していました。そこで考えられたのが、まずは『緑』を増やすこと。そして、格差を“多様性”に変えるため、誰でも滞在できる、誰もが活力を受け取れる公共空間として整備したのです」

 こう話すのは、トークセッションに参加したグローバルタレントのモーリー・ロバートソンさん。整備主体となる都に対しては、このKK線跡地について「大資本も個人事業主も、みんなにチャンスのある場にしてほしい」と注文を付けました。

実は“プラチナチケット”だった今回のイベント 競争率9倍!

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西銀座料金所(乗継所)越しに再生モデルエリアを望む(乗りものニュース編集部撮影)。

 今回のイベントを主催した東京都都市整備局は、「KK線が生まれ変わることがあまり知られていない、もっと多くの人に知ってほしい」という思いから、「銀座スカイウォーク」を企画したそう。

 しかし、蓋を開けてみると……2日間で計3000人の募集枠に対し、なんと2万7000人もの応募があったとか。実に「東京マラソン」並みの競争率になったといい、人々の感心の高さが浮彫りとなりました。

 現在の計画では、KK線の「スカイコリドー」化の事業着手は2027年頃の目標で、それまでにKK線は全線廃止になる見込みです。さらに、接続先を失う首都高八重洲線もいったん通行止めになります。2035年には、首都高C1都心環状線の代替路として、C1と八重洲線を地下でつなぐ「新京橋連結路」が完成する予定で、「スカイコリドー」の完成はおおむね2040年ころまでが目指されています。

【了】

【まるで道路が“ビーチ化”】大盛況の「銀座スカイウォーク」(写真で見る)

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