キケンな燃料輸送もう必要なし!「油の地産地消」 兵器大手がPRする新たな手法とは ?

一般のディーゼルエンジンで使える合成燃料をドイツの兵器メーカーが披露しました。これを使うことは、軍隊にとってエコロジー以上に大きなメリットがあるとか。担当者を直撃してきました。

兵站業務に変革 燃料の地産地消が可能に?

 ラインメタル社は、e-fuelを軍事活動時の現場レベルで使用するだけでなく、その生産能力も構築する「Giga-PtXプロジェクト」というものを発表していました。

 これはe-fuelを精製するのに必要なプラントを開発・製造し、それを部隊や補給線の近傍に設置して、部隊が行動するのに必要な各種燃料(ディーゼル、ジェット燃料など)をe-fuelで賄っていくという計画です。

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デモンストレーションの最後に実演されたe-fuelによる給油作業(布留川 司撮影)。

 そもそも化石燃料というものは、原油の発掘から精製・輸送まで一貫して用意する必要があり、広大かつ複雑な地球規模でのサプライチェーンが必須の代物です。しかも、昨今のウクライナ戦争で各国が影響を被ったように、ひとたび混乱が起きれば国境を越えて物流網に大きなインパクトを与えます。

 軍隊が担当する補給業務(いわゆる兵站)でも、燃料の輸送はその量が膨大なうえに、戦時下では補給部隊そのものが極めて脆弱で、かつ相手側の攻撃を受ける可能性が高くなっています。ラインメタル社によると、戦時における兵士1人あたりの1日の燃料消費量は20~60リットルだそうで、2001年から約20年にわたって行われたアフガニスタン紛争におけるNATO(北大西洋条約機構)連合軍の死傷者の60%は、燃料輸送を始めとした補給任務中の部隊で発生したとのことでした。

 Giga-PtXプロジェクトでは、その脆弱な化石燃料のサプライチェーンと危険で手間の掛かる輸送業務を、前線に比較的近い位置に開設されたプラントで精製することにより問題解決をはかろうという試みであり、その主目的は環境負荷の低減というよりも、軍事の兵站業務の大改革だといえるでしょう。

【匂いは?】コップに入れると「まるで水」な合成燃料 プラントの様子も(写真)

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