絶滅近し? 国鉄が「JR北海道と四国のために」つくった車両とは 実は“席だけ新幹線”も!?

国鉄の分割民営化の際、新たに発足するJR北海道と四国は経営困難が予測されました。国鉄はその両社向けに、最後の一般形気動車キハ54形を新製します。どんな車両なのでしょうか。

500番台には一般形と急行形が存在

 キハ54形は車体幅も、それまでの一般形だったキハ40形のような幅広車体は採用していません。0番台では、側扉や冷房装置も構造が簡易化されるなど、様々なところでコストダウンが図られました。

 四国向けの0番台と北海道向けの500番台は運行環境が異なりすぎるため、車体も大きく違いました。0番台は5人ごとにひじ掛けがついたバケット式オールロングシートで二段窓、折戸の側扉はバス用のドアエンジン、冷房装置もバス用の機器で、コストダウンを図りました。

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500番台の車内(安藤昌季撮影)。

 一方、500番台は一般形(26両)と急行形(3両)の2仕様に分かれていました。共通した500番台の特徴は、側扉が引き戸で、側窓が1段上昇式二重窓、和式トイレの設置、冷房装置がなく、扇風機だけという点です。

 室内も、一般形はヘッドレストのついたボックスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシート。旭川~稚内間の急行「礼文」用の急行形は座席が異なり、廃車された0系新幹線の転換式クロスシートを装備していました。ただ、窓配置は一般形と同じため、座席と窓の位置は合っていませんでした。

 キハ54形0番台は短距離輸送向けの内装だったこともあり、現在まで鹿よけのスカートを設置したくらいで大きな改装もなく、予土線、予讃線、内子線で使われています。2エンジン搭載で馬力が強いことを生かし、観光列車「しまんトロッコ」のトロッコけん引車でもあります。基本的には地域輸送に特化し、12両すべてが健在です。

【写真】え、マジだ 廃車された0系新幹線の座席を備えたキハ54形

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