「ミサイルどっからでも撃ち落す!」 米陸軍の「新型レーダー」のスゴさとは? 自衛隊も導入決定

アメリカ陸軍では、新たな脅威に対抗するための新しいレーダーとして、RTX社が開発した「LTAMDS」を導入します。最大の特徴は、探知距離の増大に加え、全周360度を全てカバーすることができる点ですが、じつは日本も他人事ではないようです。

全周360度を警戒可能

 2024年10月にアメリカで開催された防衛装備品展示会「AUSA 2024」にて、大手防衛関連企業であるRTXが開発した地上配備用レーダー「低層防空ミサイル防衛センサー(LTAMDS)」の実物を出展しました。このレーダーは、アメリカ陸軍での採用が決まっているものです。

Large 20241029 01
RTX社がAUSAで展示した新型レーダーLTAMDSの実機(画像:RTX)。

 LTAMDSはトレーラーで牽引するタイプの地上配備型防空システム用レーダーの新型で、飛来する敵のミサイルなどを撃ち落す防空ミサイルシステムとともに展開するものです。RTXが「Ghost Eyeシリーズ」と名付けているレーダーファミリーの一つで、従来のレーダーよりも探知距離が大幅に延伸していることはもちろんのこと、最大の特徴として全周360度を全てカバーすることができます。

 たとえば、従来アメリカ陸軍が運用している防空システム「ペトリオット」用のレーダーでは、アンテナが前方向けの1面しかないため、後方をカバーするためには別のレーダーを配置する必要がありました。

 そこで、LTAMDSは前方向けのアンテナである「プライマリーアレー」に加えて、後方向けに2面の「セカンダリーアレー」を配置しています。これにより、側面や後方から迫り来る航空機や巡航ミサイル、弾道ミサイルなどを捉え、対処することが可能となりました。

 また、LTAMDSは整備性も大きな特徴の一つです。レーダーが故障した際には、差し込まれているサーキットカードを交換すれば良いという風に、要員による修理作業やメンテナンスがしやすいように設計されています。

 RTXによると、いわゆる「DX」を活用したヴァーチャルエンジニアリングの手法を用いて開発を行った恩恵とのこと。実際の製品を設計する前に、デジタル空間上で徹底的に問題点を洗い出し、対処したことの成果だそうです。

 なお、LTAMDSは航空自衛隊でも運用されている「ペトリオット」用の新型レーダーとして、日本でも導入が決定されています。

【了】

【現行版と比べてみると…】レーダーで捉えて「撃て!」航空自衛隊のPAC-3ミサイル発射の様子(画像)

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  2. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  3. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  4. 神奈川県警の“バイクは自転車レーン走るな”投稿にツッコミ殺到! 「自転車にも車にもバイクにも迷惑です」…何が問題に?
  5. 史上最大の軍艦より135mもデカい!? 旧海軍「大和」を凌ぐ『エースコンバット8』の新ボス「陸上戦艦」の衝撃スペックとは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号