どうりで“いい道”だ! 実は「もと有料道路」関東甲信の神ルート5選 無料化で地域の動脈に/知る人ぞ知る抜け道に!?

一般道のなかでたまに遭遇する「やけに立派な区間」。そうした場所はもともと有料道路だった可能性があります。昔も今も非常に“使える”ルートとして機能しつつ、有料時代の痕跡が急速に失われてしまった道路を振り返ります。

三才山トンネル

 長野県松本市の東側には、霧ヶ峰から聖高原へと続く山塊が南北に横たわります。そのほぼ中央にある美ヶ原高原の北側を直線的に貫くのが、国道254号「三才山(みさやま)トンネル」です。開通は1976年、有料道路として整備されました。同トンネルを含む国道254号は、松本市と東信地方の上田市、東御市を短絡するルートとして機能しています。

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三才山トンネル。無料化後、交通量がさらに増えている(乗りものニュース編集部撮影)。

 このトンネルの開通以前、松本方面と上田方面を結ぶルートとしては北側の青木峠、地蔵峠を越える国道143号が担っていましたが、幅員も狭く、大型車の通行は困難でした。より近隣にある保福寺峠を越える県道も、険しい山々を抜けるため時間がかかります。事実上、三才山ルートの代替路はなく、長野県の東西交通、さらには中京地域と北関東とを結ぶ重要な交通路として、開通当初より昼夜を問わず多くのクルマが行き交いました。

 こうしたことから、2006年に予定された無料開放に向け収支は順調でしたが、1994年に新たに開通した松本トンネル有料道路とのプール制をとり、2021年まで料金徴収が延長されます。その後、1998年の長野オリンピックを巡る紆余曲折を経て、最終的には計画が見直され、2020年8月をもって無料開放されました。

鬼怒川バイパス

 栃木県の国道121号「鬼怒川バイパス」は、鬼怒川の左岸に広がる鬼怒川温泉郷を通り抜ける国道121号現道の状況を改善するため、1992年に対岸の右岸に開通した道路です。

 このうち鬼怒川トンネルを挟む1.7kmについては「鬼怒川有料道路」として整備され、「シルクウェイ」の通称も与えられました。無料開放は当初予定どおり、開通から30年後の2022年10月でした。

 有料道路時代には、今市方面から北上すると、青看板で「鬼怒川有料道路」の案内が出てくるものの、どこからが有料道路なのか土地鑑のないドライバーにはわかりづらく、見通しのよくない左カーブを抜けるといきなり「鬼怒川有料道路」と書かれたゲート型の大看板が現れ、すぐ300m先に料金所という“だまし討ち”のような構造が特徴でした。

【すごくいい抜け道も?】これが「もと有料道路」のいい道5つです(地図/写真)

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