「空母が空飛べば最強なんじゃ…」超大国アメリカ作りました←大失敗!「珍兵器」扱いの理由とは?

高高度を半永久的に無着陸で周回飛行し、膨大な艦載機で敵を圧倒する空中空母。創作物にはよくある設定ですが、現実でもそれを試みようとした時期がありました。

その巨体ゆえに安全面では大きな問題が…

 これら2隻の飛行船は、専用の戦闘機F9C「スパローホーク」を格納庫内でフックに吊るすように5機搭載していました。とはいえ、さすがに洋上の航空母艦ほど大量に航空機は積むことは無理だったため、空中で搭載機を飛ばすことで、現在の早期警戒機のように広域を偵察し、敵情を知るといった役割が期待されていました。

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爆発炎上した「ヒンデンブルク号」この事故以降、飛行船の運用は疑問視されることになる(画像:サンディエゴ航空宇宙博物館)。

 なお飛行船を浮揚させるためのガスは、難燃性の観点から水素ではなく、費用が高いものの不燃のヘリウムガスが使われており、当時アメリカとの関係が悪化し始めていた日本の新聞でも、就役開始当時は「日本近海に展開されれば重大な脅威になる」と報じられていました。しかし、空中空母の運用自体は上手くいきませんでした。

 その原因は、現在の大型旅客機すら比較にならない、全長240m、全高46mという巨体そのものに問題があったからです。洋上で運用するには風による問題が多く、1933年4月4日には「アクロン号」が突風による墜落事故を起こして、死傷者まで出してしまいます。

 1935(昭和10)年2月12日には「メイコン号」も不時着事故を起こします。さらに1937(昭和12)年5月6日には世界最大の飛行船だったドイツの「ヒンデンブルク号」が爆発事故を起こします。こうした度重なる重大事故により飛行船の戦力化には疑問符がついてしまい、結局、飛行船を利用した空中空母の運用は以後、計画されることはなくなりました。

 第二次世界大戦後は、飛行機の性能が格段に向上し、無駄に船体が大きい硬式飛行船すら作られなくなり、飛行船は宣伝用の小型機が残るのみです。今後、創作物のように飛行船が空中空母として開発可能性があるとすれば、恐らくなにかの技術革新があったときくらいでしょう。

【マンガみたい…】これが、飛行船型の空中空母に着艦する戦闘機です(写真)

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ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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